前回、Windows 7へのアップグレードが一部不具合を残しつつも、何とか使えるレベルでの状態になったことで、この文章もWindows 7アップグレード環境にて行っている。今回は、おおよそ2時間ほどかかったアップグレードの経過等について、簡単にふれておこう。
Windowsのアップグレードに時間がかかるのは、今に始まったことではない。古くはWindows 95へのアップグレードまでさかのぼることができるが、数時間レベルまで時間がかかるようになったのは、多くは次の理由によるものであることは、昔から変わっていない。
- ハードウェアデバイスの走査とその設定情報の確認・照合
- PCのパフォーマンス不足
- インストールデータ量の肥大化
このうち、2番目と3番目は、アップグレード対象となるPCに依存する部分であり、それほど古いPCでない限りはあまり問題とはならない。いつの時代になっても変わらないのは、既存のハードウェアベースの設定を変えずに新機能に基づいた形のものを問題なく上乗せする困難さである。
言うまでもないが、アップグレードするユーザは「できて当たり前」だと思っているものが、実際に問題なくアップグレードさせて問題なく動作できるようにするというのは、並大抵の作業ではない。PCメーカの出荷状態のままですら、様々な困難があるが(完全に問題のないアップグレードを行うには、それ専用のINFファイル等を用意して、すべての設定に1対1で適用できるようにするしかない)、ユーザのハードウェア追加や削除、関連するデバイスドライバ等の追加や削除、ソフトウェアのインストールやアンインストール等々を行ったPCにおいては、1台1台がオリジナリティPCであり、加えて正しく設定情報が反映されているという保証もない。言い換えれば、設定情報が完全に正しいPCなどありはしないのである。
そんなPCに対して、標準的なアップグレードで対応するのは困難以外の何物でもないが、まさにこの部分が最もWindowsのアップグレードの大半の時間が費やされるところである。私のVAIO type Zも、約2時間ほどのアップグレード時間を費やしたが、だいたい1時間半ほどはこの作業に費やされていたようである。
これは、Windows Vista上からWindows 7へのアップグレードを開始した際の画面だが、大きく5つの作業に分けられている。このうち、最初のファイルのコピー作業は、DVD-ROMと内蔵HDDでのやりとりで約10分程度であるが、続く「ファイル、設定、プログラムの収集中」の作業は、おそらく突合に時間がかかっているのがありあり(おそらくしらみつぶしに調べた挙げ句、ないとわかるようなものが複数あると大変なことになる。SSDなら速いだろうが…)。そして5番目にある「ファイル、設定、プログラムの転送中」の作業にも長時間かかるのだ。
このことから予想はつくが、アップグレードでない新規インストール(クリーンインストール)では、最も時間のかかるこれらの作業を行わない(ハードウェアデバイス等の照合くらいのもの。Windows 95時代はこれすら大変なことだったが)ことから、インストール時間は短いものとなる。
私のVAIO type Zの場合は、全部で3回の再起動を伴ったが、このあたりはハードウェアによりけりだろう。無事にアップグレード作業が完了すれば、この画面にお目にかかる。
プロダクトコードの入力は、このタイミングでインターネット接続されていなければ行う必要はない。インストール後、3日以内に行えばいいとされている。
といったところで、今回はここまで。
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