何度延期になっただろう。2回いや3回か…。どちらにしてもWindows 7の年内リリースが発表された後、ようやく発売となった「Windows Internals 5th Edition」。
発売以前、公開されていた表紙と違うような気がしたので確認すると、
「Covering ~」と「Including ~」が違う以上に、注目は著者の追加となるだろう。従来のMark E. Russinovich 氏とDavid A. Solomon 氏に加えて、Alex Ionescu 氏が新たに加わったことが確認できる。本書の遅延理由はこのあたりにあったのだろうか?
というわけで、一年近く出版が遅れたのはWindows 7に対応するからではなさそうで、残念ながらまったくといっていいほどふれず仕舞い(全部隅から隅まで読んでいないので断言できないが)。とはいえ、Windows Vistaでアーキテクチャが大きく変わった部分についてはしっかりと解説されているので、読み応えは十分にある。
さて、本書の定番は第1章にWindowsの歴史を簡単に振り返るため、Windowsのバージョンを一覧を示すのが定番だが、今回は次のようになっていた。
第4版では、Windows Server 2003までが掲載されており、今回の第5版はWindows VistaとWindows Server 2008が追加となったが、注目はWindows Vistaのリリース日(Release Date)である。Microsoft社大本営発表では、Windows Vistaは2006年11月末とされていたが、本書では2007年1月となっている。当Blogでも何度か取り上げているように、Windows Vistaのリリースは遅れに遅れ、2006年内のリリースを公約までしたが、いわゆる市販パッケージとしてのリリースが行えず、企業向け限定のリリースとして「形の上だけ」のものしかできなかった。その後、2007年1月下旬に市販パッケージをリリースしたわけだが、本書はこちらをリリース日としているのである。
さすがは営業向けの文書でなく、技術書だとなるのだろうが、古くはWindows 95においても営業向けでは「完全なる32-bit OS」だと主張し、かたや技術書では「16-bitに32-bitの皮を被せたハイブリッドOS」と正しく表記していたように、所詮営業向け(一般ユーザ・マスコミ向け)のものはそういうものだろう。だが、リリース日程度でこんなスタートだったのだから、いかにWindows Vistaが最初から躓いていたのか、本書によっていきなり再確認できてしまった。
そんなわけで、昨日からじっくり読み進めているわけだが、基本的な章立ては第4版までと変わらないので、1200ページを超える大冊ではあるが、意外に早く読了するかもしれない。もっとも、読み終えるのが目的ではなく、知識を吸収することに意味があるわけだが…。
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