久しぶりのVAIO type Zの話題だが、総括編も一応、今回で終了とする。購入してちょうど2か月が経過したわけだが、この間、旅行等に出かけていた時を除き、基本的にほぼ毎日利用しており、だいたい使い勝手などは見えてきた。ということで、今回はこれまでとは趣を変えて、理屈ではなく感覚でVAIO type Zのことを語っていこう。
まず始めに、VAIO type Zを購入して後悔しているか、という点について。以前書いたとおり、私はVAIO type Zを購入するわずか半年ほど前に、VAIO SZシリーズを購入しており、これと比べてどうか、ということである。一言で言えば、「早く買ってよかった!」という一語に尽きる。
最近のSonyStyleの納入状況はわからないが、私がすぐさま購入に動いた後、アクセス殺到によるサーバ不具合等が発生した模様で、その人気の高さに驚かされるのと同時に、納期がいきなり「9月下旬」となったのにも驚いた。結果論だが、この点からもすぐに発注してよかったと思っている。
私は当初、VAIO type Zを見て、1.5kg程度の重量で1600 x 900という高解像度を実現していることに惹かれたわけだが、この点については現在でも惹かれ続けている、となる。外付けでこれ以上の解像度を実現することは可能だが、いついかなる時にもこの解像度で作業できるというのは、やはり使い続けていないと「良さ」は見えてこない。無論、常時机上で使っていても「良さ」はわかるのだが、Mobileしてみればさらに「良さ」を感ずることができる。
一方、気になっていた点として、一時は購入を躊躇する原因でもあったキーボードだが、さすがにほぼ毎日使用しているため、まったく問題なく操作できるようになった。カーソルキーも指が慣れてきて、使用当初のような打ち損じはほとんどなくなった。やはり、「慣れ」の問題であった。もっとも、基本的な部分で気に入ってなかったなら、慣れる前に嫌になっていたことは容易に想像がつく。やはり、不具合があってもそれを補ってあまりある魅力さえあれば、いずれ問題がなくなるという証左であろう。
あまり褒めてばかりも何なので、この2か月の間で気に入らない点をあげておこう。言うまでもないが、以下に示す気に入らない点は、VAIO type Z固有の問題とは限らない。ただ、その範疇まで広げないと、気に入らない点をあげるに至らないというのが、正直な感想である。
まず第一は、スリープ等に移行する際の不具合である。問題の切り分けが完全に成されていないので、事象のみ説明すると、要は、スリープに移行させてもスリープしない。それどころか、事実上のハングアップ状態に陥り、強制シャットダウン(電源ボタン長押し)をさせなければならないという事象である。数えていないので、正確な数値ではないが、イベントビューアで確認したところ、おそらく12回程度は発生したと思われる。
もちろん、すべてのスリープ移行操作で発生するわけではなく、たまに発生する程度である。思いつくこととしては、バックグラウンドで優先順位の高いプロセス(それもハードウェアを排他で握り続けているような…)を実行させている最中に、スリープ移行動作(これもスタートメニュー等からではなく、ディスプレイを閉じるようなハードウェア経由のイヴェントによるもの)を行うと、間断なくHDDへのアクセスが続き、画面はブラックアウトするが、スリープモードにならないというものである。原因は、ハードウェアともソフトウェアとも、あるいは両方に起因するとも言えるものだが、スリープさせるタイミングや操作を気にしていれば、この不具合は発生しないので致命的な問題とは言えない。
続いて第二は……。う~ん、思いつかない(苦笑)。私も古くからの人間なので、再起動は3秒以内でとか、総重量は200グラム以内でとか、ハングアップしても直前のデータの復旧はしてほしいとか、4GBのデータコピーは5秒で等の無理難題をふっかけるつもりはないので、これ以上何を求めるのか、となるのかもしれない。いや、求めるものはあるにしてもそれは不具合ではないので、要望の類となるだろう。ということで、不具合ではなく、VAIO type Zに対する現実的?な要望をあげておこう。
- 有機ELディスプレイ搭載(画面解像度はいわゆるFull HD)
- SSD 1TB RAID 0搭載(ただし、フラッシュメモリ使用を前提としたOS(デバイスドライバ)及びコントローラ必須)
- サイズはこのままで構わないが、重量は少しでも軽量に(堅牢性は維持)
- 64-bit OSを快適に使うため、16GB以上の物理メモリ搭載
- バッテリ持続時間は、現状と同クラスのバッテリ使用で24時間連続使用可能(フルパワーでなく、標準的な利用)
- 使い勝手とセキュリティが確保された1Gbit級の無線LAN利用可能
- 起動は10秒程度、シャットダウンは5秒以内(ただし、アプリケーションソフトウェアは未使用)、スリープモード遷移は3秒以内
とりあえず思いつくまま7項目を挙げてみた。現実的でないと思われるかもしれないが、このくらいアグレッシヴでなければ、低価格PCに呑み込まれてしまうのは間違いない。中でも有機ELディスプレイには前から期待はしているのだが、VAIO type Zで優れた液晶パネルの画面表示を見てしまったので、もっといいものをという欲求が目覚めてしまった。
以上で、VAIO type Z総括編は終了する。まだまだ使い続けていく中で、色々なことが出てくるかもしれないが、その時は個別で話題提供をさせていただくことにする。VAIO type Z、久しぶりに満足できるMobile PCだ。
XWINⅡ様とお呼びしてよいのかWEBLOG の仕組みすら良く分からず失礼致します
Z90の総括感心して読ませていただきました。
造詣の深いXWINⅡ様に教えて欲しいことが有り書き込みました
私のZ90US 、2.8GHz と言いながら、CPU負荷100%(MPEG2ファイルをMPEG4へコンバート等)で2~3分するとクロックが2.13GHzと2.8GHzを3.5秒周期で切り替わりそのままずーと同じ動作を繰り返します早い話が平均2.46GHz 動作となるのです。SONY カスタマーセンターはこの症状は認識していて、コントロール制御が働いており正常であると言い切ります。その時のCPUコア温度はは最大104度にもなっていて95度との間を行き来します(冷却は十分気を使っております)。
これなら最速版を買わずとも良かったのではと思います
単純に冷却能力不足なだけと思うのですがこれはノートPC業界では当たり前なのでしょうか?
CPU の寿命も合せて心配ですご教授願えませんでしょうか
よろしくお願い致します。
投稿情報: hondarc166 | 2009/05/24 16:52
hondarc166 様、コメントありがとうございます。
CPUコアクロック可変機構は、最近のIntelプロセッサであれば必ず搭載されているものですが、Mobileプロセッサのそれは言うまでもなくデスクトッププロセッサよりも「温度」に敏感に反応するようになっています(TDP値からも自明)。
冷却機構云々という部分においては、Z90USの設定で「ファンを最大」にしていても物理的にフル稼働させていればクロックダウンしてしまうのは否めません。おっしゃるような用途であれば、冷却機構を充実させたデスクトップPCの方が向いているでしょう。
最速版については、トップスピードが速いことと相対的に熱耐性の高いプロセッサダイが搭載されているという「安心感」だけがメリットであって、長時間プロセッサを働かせ続ける用途では、しっかりした冷却機構を備えたものでなければならず、一般的なMobile PCでは向いていないし、仰せの通り「冷却能力不足」といって差し支えないと思います。冷却よりも軽い・省スペースというメリットを認められなければ、Mobile PCを選択する意味はないかと。
CPUの寿命については、性質的に熱に弱いですから、冷却が弱ければ短くなるわけですが、先にふれたように熱死しないようコントロールされているので、燃え尽きるという可能性はほとんどなくなっています。また、製造直後から一定の動作期間を経ていれば、初期不良という最も寿命に影響を与えるものはないと考えていいでしょうね。
投稿情報: XWIN II | 2009/05/26 07:07