さて、前回(昨日)は到着したことだけで話題を終えてしまったが、いやはやなかなかにセットアップ等に時間を要している。PCとして使うことができるようになるまでの時間は、昔に比べれば大幅にかかる時間は短くなっている(Windows Vistaの必要最低限のセットアップが完了するのに10分もかからない)。わかっている人であれば、初めて電源を入れてから10分程度でインターネット接続することができるだろう。だが、自分用にカスタマイズする以前に、必要なソフトウェアをインストールしたり、あるいはアップデートしたり、あるいは不要なソフトウェアの削除(アンインストール)を行うなどの試行錯誤は、やはり時間がかかる。ずっとそればかりやっていたわけではないので、トータル時間ではないが、昨日から今日にかけて、概ね数時間を要してようやくVAIO type SZからVAIO type Zへの移行が完了した。
このような作業を行っている課程で、昨日も書いたことだが、液晶ディスプレイの高解像度と発色のよさに目を奪われ続けている。特に緑や橙色系の色合いが、これまでのtype SZ等の液晶ディスプレイとは間違いなく一線を画している。
たかが、時間経過を示すだけのゲージでさえも、う~ん…これは素晴らしい緑色だ!と見とれてしまうほどである。動画系はともかく、アニメ系の静止画はこのtype Zの液晶ディスプレイで見たら、きっと素晴らしい体験になるに違いない。
一通りのセットアップ処理を終えたことで、自分自身への確認も含め、VAIO type Zの性能等の確認をしていこう。XWIN II Web Pageの頃とは違い、あまり詳細なことまでやらないので、そのあたりはご容赦を。
まずは、ご要望に応えて、いきなりSuper π 1.1(104万桁)を走らせてみた。Windows 95以降の定番ベンチマークソフト(本来の役割は別にあったが…)の一つであるが、私自身、走らせるのは久しぶりである。その昔は、3分を切ったとか、1分を切ったとか、一喜一憂したものだったが、結果はご覧のとおりである。
17秒。一つのループに1秒もかからないので、300bps(ボー)の音響カプラでパソコン通信で行っていた頃の文字出力よりも速い(苦笑)。Super πは、いわゆるx87命令を使っているので、昨今のSSE系の命令を使えば、もっと速い結果を出すことができるだろう。
マイクロプロセッサは、Core 2 Duo T9600(2.80GHz)搭載だが、これを次に確認してみよう。定番のCPU-Zの最新バージョン1.46を利用した結果は、次のとおりである。
Familyナンバが6、ということでPentium Pro以来、連綿と続く系列であるのはもちろんだが、注目はRevisionがC0とある部分。予想はついていたが、最新版のE0ではなかった(残念)。とはいえ、FSBが1066MHz対応(266MHz QDR)になったことも大きい。
また、Mobileプロセッサでもあるので、いつも2.80GHzで走っているわけではない。必要に応じ、または電源プロファイルの設定を変えることで、コアクロック数や動作電圧を動的に引き下げることができる。これは、ちょうど1.60GHzに切り替わったときのCPU-Zの画面表示であるが、これを表示したままにしておくと、適当なタイミングでコアクロックが切り替わることが確認できる。
続いて、CPU-Z 1.46の「Cache」情報を見てみよう。Penrynコアは、2つのプロセッサコアを持ち、それぞれにL1キャッシュをデータ・命令それぞれ32KBずつ搭載されている。L2キャッシュは共有キャッシュで6MB。そのとおりの結果が表示されている。L2キャッシュは、24-wayとなかなかすごいWay数となっているが、それでも外部のRAMにアクセスするよりは、まったく問題ないと言えるだろう。
続いて、CPU-Z 1.46の「Mainboard」情報。BIOSがあまり聞いたことがないINSYDEのもので、まだできたてほやほやのバージョンが搭載されている。チップセットは、GM45なので、これも表示されているとおりである。
続いて、CPU-Z 1.46の「Memory」。これは情報が誤っているが(DDR2となっている)、まだサポートされていないものと思われる。ノートPCは特殊な実装がされることもあるので、このような情報表示ツールは個別対応せざるを得ないことも多い。
だが、「SPD」情報を見れば、メモリがDDR3であることは確認できる。SPD情報は読み出すだけでいいので、それが誤っているかどうかは別にして、そのままフォーマットに従って表示すればいいだけである。2008年第22週の製造ということは、これもできたてのほやほやとなるだろうか。
では、もう一つのCPU情報表示ツールであるCrystalCPUID 4.15.1.450の結果を見てみよう。
コードネームがWolfdaleとなってしまっているのは、Mobileプロセッサとの識別がうまくいっていないか、あるいは未対応かと考えられ、本質的な誤りとは言えないが、情報表示ツールとしての信用性を失いかねないものである。さらに深刻な問題は、プロセッサのオリジナルクロックを押さえておくことができないようで、上のようにInternal Clock、System Clock、System Bus、Multiplierいずれも誤った情報を表示している。
ただ、これもタイミングを変えて表示させると、上のように正しいクロック表記となる場合もある。要は、CrystalCPUID 4.15.1.450はMobileプロセッサの情報表示ツールとしては今ひとつであるとなるだろうか。
というところで、今回はここまで。
super-π104万桁17秒! すごいですね、これだけの性能をモバイルできるなんて。Z1/P(Pen M 1.3GHz)は72秒でしたので5年間の進歩はすばらしいの一言です。ちなみに1ヶ月前購入のIntel Core 2 Duo 2.66GHz のiMacをVMWare Fusion + XPSP3で動作させると20秒でした。CPUの表示についても、CPUZでは、Wolfdale/E8190、CrystalCPUではWolfdale/E8350、MacTrackerでは、Penryn/E8335と表示され、どれが正しいのやら迷います。GPU benchmarkなど今から興味津々で、次の報告をお待ちしています。
投稿情報: josef | 2008/08/10 19:56
josef 様
もう、6年ほど前の話になりますが、Hyper-Threadingテクノロジを初サポートしたXeonで1分を切ったというのを思い出しました。それが今はMobileで17秒。確かに速くなりました。
マイクロプロセッサの判定は、実はなかなかに難しいものがあります(OEM名を見る手もある)。プロセッサコアはほとんど違いがないので、その他、類推できるもの(マザーボード名とか)も含めて判断しないと。
とはいえ、たとえばデスクトップPCにもMobileプロセッサを搭載することは可能なので、こういう場合、デスクトップPCでも正しくはMobileプロセッサとしなければならないのに、他の類推できる情報からデスクトップ向けPC用プロセッサと表示して、結果的に誤ってしまうとか。
では簡単ですが、この辺で。
投稿情報: XWIN II | 2008/08/11 07:01