1990年4月、東京秋葉原にオープンしたラオックス ザ・コンピュータ館が、17年の歴史に終止符を打つかもしれない。そのような話(『ザ・コンピュータ館が閉店とのうわさに山下社長は「現時点でノーコメント」 』、『秋葉原ザ・コン地下のメイド喫茶閉店へ ~ザ・コン自体も閉店か!?』)を聞き、時代の流れとはいえ、一抹の寂しさを禁じえない。
1990年4月といえば、Windowsが大ヒットとなったバージョンであるWindows 3.0登場前夜(英語=オリジナル版。日本語版は1991年)といっていい時期にあたり、我が国のPCは、いわゆるDOS/Vマシンではなく、NECのPC-9800シリーズであった。DOS/Vマシンのベースと言えるDOS/Vの最初のバージョン、IBM DOSバージョンJ4.0/Vもこの年にリリースされており、ラオックス ザ・コンピュータ館の歴史は、そのまま日本のPCの変革期と拡大期、そして普及期という流れに相当する。
振り返れば、初めてラオックス ザ・コンピュータ館に行った時は、その規模に驚かされたものだった。あれだけ広い店舗のすべてが、PC関連の製品群で占められたのは前代未聞であり、半日近く店舗内にいたことを思い出す(実際はそんなに長くなかったと思うが…)。その後、何度かのリニューアルを繰り返し、西暦2000年を過ぎた頃には、もう立ち寄らなくなった。既に魅力ある店舗ではなくなっていたからだが、「何でもある」ということに意味を失っていたからかもしれない。
しかし、この噂は本当なのだろうか。ラオックス自体も経営状況は芳しくないようなので、何があっても不思議ではないが、もしラオックス ザ・コンピュータ館が閉店してしまうようなら、その前に一度は行っておきたい。間違いなく、1990年代には世話になったのは確かなので、最後の雄姿を見ておかねばならないからだ。
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