東京新宿西口といえばヨドバシカメラが有名だが、ここには損保ジャパン東郷青児美術館がある。大きな美術館ではないが、なかなかよさげな展覧会を行うので、何だかんだで年一回は訪れるところである。
今回は、「甘美なる聖母の画家 ペルジーノ展 ラファエロが師と仰いだ神のごとき人」という展覧会が、4月21日から7月1日まで開催されているということで早速行ってみた。
まず、ペルジーノという名前に驚かされたのは、この名前は通称名のようなもので、意味的に「ペルージャの人」ということだった。ガイドブック等によれば、ペルジーノは芸術家というよりも職人の親方というような人で、様々な注文により作品を多人数で作り、それを監督・指揮していたとのこと。個人でなく、工房であって、だからこそ個人名でなく「ペルージャの人」=ペルジーノと通称されていたのか…と作品を鑑賞しながらそのようなことを思っていた。
展示内容は、かなり地味である。現在、ウフィツィ美術館からレオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」が来日しているが、あの作品は作品だけを見るのではなく、ウフィツィにあるからこそ意義のあるもの。しかし、このような展覧会は、地味ではあるがテーマがあり、散逸していたものを一同とは言わないが、かなりのものを集めたことに意義がある。流れ的には、一昨年くらい前に同美術館で行われたプラート展に通ずるものがあり、ペルジーノ展に続くものをまた期待したいものである。
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