Twitterでは書き切れないし、ちょうど6月の月頭なので久々にblog記事を更新することにする。で、今回取上げるのは、タイトルで明らかなように「地震予知」に関してだ。
当blogにおいて、「東海地震は永遠に来ない(苦笑)」(2009年8月12日記事)であるとか、東日本大震災後の「起こる前の予測(予知)ではなく起こってからの迅速な影響予測をお願いします」(2011年4月16日)であるとか、地震予知に関して書き散らしているが、専攻学問としては異なるものの、同じ理系大学出身者として見れば、地球内部に関する知見がほとんどない中で、いつ頃、地震(大きなものに限っても)が起こるかの予測が不可能であることは容易に想像が付く。なぜなら、あれだけ気象情報がシミュレータ含めて精細化しても、結構外れることが少なくないからだ。
一方、地震が発生してからの緊急地震速報については、確実に安定さを見せている。数年前はブィブィなることが少なくなかったが、先週の地震でもしっかり反応できたように「起こってからの」技術は格段に進歩している。
つまり、できることとできないことには明確な「違い」があるのだ。
まだ手に入れていないが、東京大学出版会から先月末、興味深い本が登場した。その名も「日本の地震予知研究130年史 明治期から東日本大震災まで」である。リンク先の東京大学出版会の紹介ページをご覧いただければ、700ページに迫る物量で130年にわたる怪しげな歴史(失礼!)が見えてこよう。
本書紹介に、「明治初期に始まる日本の地震予知研究は,大地震のたびに関心の盛り上がりと失望を繰り返しながら,しかし一向にそのゴールが見えてこない.人々が地震予知の実現に大きな夢を抱き続けているのはなぜなのか.本書は地震学研究だけでなく,国や社会の対応などの側面も含め多様な角度からその謎に迫る」とあるように、地震大国ならではの人々の希望から、それを利用する山師(これも失礼!)たちの暗躍。地震予知に意味があるのかないのかも含め、考えようと思いつつ、今回はここまで。
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