FIFAワールドカップブラジル大会は、日本時間27日早朝までにすべての1次リーグ予選が終わり、決勝トーナメントに進む16か国が決定した。地域別では南米の強さが際立ったが、欧州勢も侮れない戦いを繰り広げている。地域の中ではアジアの4か国が一つも勝ち進むことができなかったばかりか、1勝もあげることができなかった。日本、イラン、オーストラリア、韓国いずれもグループリーグの最下位。
と、それはともかく各グループの第2戦までの結果と最終結果を並べて、簡単に振り返ってみよう。
グループAは、第2戦終了時にはカメルーンのみ敗退が確定し、メキシコとクロアチアの直接対決が結果に大きな影響を与えた。直接対決はメキシコが勝利し、ブラジルもカメルーンを一蹴。順当といえば順当な結果に終わったと言えるだろう。
グループBは、事前には興味深いグループであったものの、第2戦終了時には既に決まっていた。直接対決も1位と2位、3位と4位の対決であったため、結果的にもっとも面白くないグループだった。スペインは最終戦でレベルの違いを見せたが、一方でオーストラリアでは不調のスペイン相手でも勝てないという力の差を見せつけられたとも言える。
グループCは、ギリシャが大逆転。初戦を0-3で落とし、第2戦も何とか引分けた。得失点差で最下位だったにもかかわらず、2位だったコートジボワールとの直接対決で終了直前に決勝ゴールをPKであげ、見事に勝ち上がった。日本はまったくいいところがなく(あえて言えば初戦の開始15分あたりまでがましだった)、あっさりと敗退。
グループDは、コスタリカの奮闘が目立った。最後の枠を直接対決を制したウルグアイが勝ち上がったが、スアレス噛みつき事件が印象を悪くした。FIFAの処分はくだったが、あれはレッドカードだったろう。イタリアには悔やみきれない判定だった。
グループEは、フランスの圧倒的な強さとスイスのしたたかさが際だった。エクアドルは、フランス戦ではしのいだものの引き分けで勝ち上がれず。南米勢で唯一の敗退となった。
グループFは、何と言ってもアルゼンチン、そしてメッシ。あのイラン戦でのスーパーゴールは1次リーグ最高のものだろう。初出場のボスニア・ヘルツェゴビナはイラン戦では快勝したものの、ナイジェリア戦での戦いに悔いが残った。この差が最後の最後でモノを言った。
グループGは、第2戦終了時に唯一、4チームにチャンスがあったが、ドイツとアメリカが勝ち上がることは無難なところ。加えて、ドイツとアメリカは直接対決で、得失点差を踏まえれば冒険せずともよかった。そのとおりの結果となった。ポルトガルはドイツ戦での大量失点が致命傷。ガーナ戦で初勝利をあげたものの、総じて厳しい戦いだった。
グループHは、ベルギーの圧勝。最後の韓国戦は10人になりながら、まるで一人足りないとは思えないほどの戦いぶり。しかも1-0での勝利。文句のつけようがない。残る一つの枠をアルジェリアとロシアの直接対決で争ったが、アルジェリアが追いついて1-1の引分け。しのいで勝ち上がった。これでアフリカ勢はナイジェリアとアルジェリアが勝ち上がったことになる。
以上、簡単に振り返ってみたが、順当なところと番狂わせのところがあって、なかなか楽しめた1次リーグ予選だった。次は決勝トーナメント。ますます興味深い対戦に心躍らせつつ、今回はここまで。
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