久々の更新。北米等は10月から新年度スタートなので、それに合わせてなかなかに忙しくなってしまうが、今回は色々あって…(苦笑)とまぁ言い訳はさておいて、先月(9月)末に購入した2冊の本をご紹介。
両方とも岩波書店から出たもので、「福島原発事故 タイムライン 2011-2012」(編者:福島原発事故記録チーム、著者:宮崎知己・木村英昭・小林剛)と「福島原発事故 東電テレビ会議 49時間の記録」(編者:福島原発事故記録チーム、著者:宮崎知己・木村英昭)である。人それぞれだろうが、どちらも一般的に通読して面白い本とは言えない。「福島原発事故 タイムライン 2011-2012」は、一言で言ってしまえば「時系列表」。「福島原発事故 東電テレビ会議 49時間の記録」は「シナリオ系」。しかも、どの事象も公平に扱っていて、重要事象が太文字で書かれていたり、あるいは下線が引かれたり、ということがない。淡々と、本当に淡々と事実が書き綴られているので、読みにくいがかえって読者に貴重な素材が生のまま与えられていると言っていいだろう。
例えば、1号機と3号機爆発について、それぞれ抜粋してみると、
「福島原発事故 タイムライン 2011-2012」40ページ
「3/12 15:36 1号機の原子炉建屋で爆発が発生。福島第一原子力発電所の復旧班と配電班が、起動させた電源車の調整を終え、PHSで福島第一原子力発電所の対策本部に1号機と2号機の交流電源を復旧する作業が終了したとの連絡をしていたところで、爆発した。」
「福島原発事故 東電テレビ会議 49時間の記録」264ページ
「03/14 11:01:45 1F吉田所長 本店、本店。大変、大変です。3号機、多分水蒸気爆発だと、爆発がいま起こりました。」
といった感じで、重要な事象も、いつ頃その事象が起こったのかを知らなければ、その前後にある膨大な情報の中に埋もれてしまうのである。いい喩えではないが、「春秋左氏伝」の事件索引のようなものがほしいと感じつつ、今回はここまで。
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