■ サウンド関連
VAIO Z21を使ったことのあるユーザであれば、スピーカーから発せられる音にがっかりしたことだろう。それまでのVAIO Zやtype Z等と比べて圧倒的に薄っぺらい音で、しかもボリュームを上げるとすぐに音割れを起こすほどひどい内蔵スピーカーだったのだ。もちろん、ヘッドフォン経由であればそんなことはないのだが、SONYの出している、しかもVAIOと名乗るそれが、こんな貧相な音しか出せない(しかもすぐ音割れする)のは、SONYブランド、VAIOブランドを著しく失墜するさせるもので、いくら薄型軽量化しても譲れないところはあるだろうと思ったものだった。
そういう体験をしていたので、本機についてもサウンド周りはほとんど期待はしていなかった。だが、初めて聞いた本機の音はWindows 8のシステム音だったのだが、意外にいい音をさせるので、YouTubeのビデオやMP3ファイルなどを再生させてみてさらにびっくり。VAIO Z21など足元にも及ばない(というよりはVAIO Z21がひどすぎるだけで本機が大変素晴らしいというわけではない)素晴らしい音が、ステレオでしっかりと本機のスピーカーから響き渡ってきたからである。
何と驚いたことに、本機は高級ウォークマンなどのAV機器に採用されているフルデジタルアンプ技術である「S-Master」が搭載されており、デジアナ変換を行わず直接DSPからデジタル信号のまま増幅させることで、音質の劣化を抑え込んでいるのだ。しかもスピーカーから発する音もこだわっている。まずは、スピーカー特性最適化によって明瞭な音像定位を実現した「CLEAR PHASE」、そして仮想サラウンド空間を再現する「S-FORCE Front Surround 3D」、ひずみを抑えて音圧を強める「xLOUD」、小さい音量でも臨場感あるサウンドを実現する「Sound Optimizer」などといった内蔵スピーカによるサウンド出力は、このクラスのモバイルPCとしてはあり得ないほど充実していると断言できよう。
さらに、こういった基本性能の高さに加え、サウンド出力のカスタマイズも行うことができる。
「VAIOの設定」中の「音質」を選択すると、「サウンド効果」として5つのうちから選択できるようになっている。ここで「詳細」ボタンを押すと、「VAIO オーディオ ユーティリティー」が起動する。
画面表示(横幅)の問題から右側の一部をカットしているが、既存の「ClearAudio+ for Music」と「ClearAudio+ for Video」のほかに、ユーザがカスタマイズ可能な設定を2つ用意している。これらを選択して「編集」ボタンを押すと、
このように音声出力を自由にカスタマイズすることができる。もちろん、ここで適当に設定することも可能だが、
ご覧のとおり、音楽の種別によってSONYの考える設定が出てくるので、これを参考にしてカスタマイズすることもできる。こういっては何だが、ここまで本機がサウンド出力に気を遣っているのは、VAIO Z21を利用していたものからすれば、あれは一体何だったのか…と思わずにはいられない。それほど力の入った本機のサウンド周りであると同時に、VAIO Z21の貧弱さが認識を改めて去来してくるのである(苦笑)。
以上、優れた本機のサウンド周りについてふれつつ、今回はここまで。次回はこちら。
コメント