■ キーボード
液晶(タッチ)パネルに続く、ユーザインタフェースの要はやはりキーボードだ。本機は、タブレットモードとキーボードモードと両方の形態をとることが可能だが、「1:9」、いや「5:95」くらいは圧倒的にキーボードモードで使用することが多い。世の中には、PCは不要でタブレットで十分だという声も聞こえてくるが、コンテンツ消費型ユーザならばキーボードなど必要ないというのはよくわかる。事実、私も本機を手に入れる前までは、iPadを積極的に利用することがそれなりにあり、それはコンテンツを生産するのではなく一方的に消費するときであった。つまり、30年以上、PC(及びマイコン)に係わってきた私でさえタブレットは便利だと思うのだから、インターネットに接続してWebブラウズを行うために仕方なくPCを我慢して使っていた人たちにとって、余計なことを考えなくて済むタブレットは普及して当然であり、またPCを使うなどとは考えなくなるだろう。要は、これまでは使う必要のないユーザまでPCを使わざるを得なかった不幸な時代であって、その上に胡座をかいていたのがMicrosoft社だったというだけのことである。
と、それはさておき、タブレットは確かにPCよりも便利ではあるが、一方で生産行為にはほとんど問題外だと現時点では言わざるを得ない。中でも文字入力に関して言えば、やはりキーボードに一日の長があり、タッチパネルに表示されるソフトウェアキーボードやUSBポート等に接続して利用する外付けハードウェアキーボードを用意する手間や不便さを考えれば、タブレットは私にとってコンテンツ生産の道具とはならない。
そして、本機をタブレットモードで使用している場合でも、例えばパスワードやあるいは検索文字列を入力するなど、たかだか10~20文字前後の文字を入力するだけにもかかわらず、タブレットモードからキーボードモードに切り替え、キーボードで文字入力を行った後、すかさずタブレットモードに戻すという使い方をしている。この1アクションの手間を要することをしても、キーボード入力の方が速くて便利なのだ。さすがは「Surf Slider」機構であると便利さを実感しつつ、やはり優れた変形機構を持つからこそ、このような使い方ができるのだと断言できる。もし、変形に時間がかかったり、簡単に変形できないのだとしたら、両方のモードを持つことや変形機構自身も意味がなくなると思う。
なお、キーボードそのものの打鍵感は、VAIO Z21よりはましだが、通常の外付けキーボードなどと比べればかなり劣る。所詮は慣れの問題ではあるのだが、それでもこのキャラメルキーボード(アイソレーションキーボード)や縦部分が2mmほど短くなったキーに不満を覚える。とはいえ、当Blog記事は「VAIO Duo 13 | red editon」シリーズは(つまり、本機を購入して以降は)すべてこのキーボードから紡がれているわけで、けっして生産性が低いわけではない。私の場合は、VAIO Z21という「痛い」キーボード入力から移行したということ、さらにキャラメルキーボードとの付き合いはかれこれ5年にならんとしているという「慣れ」。この2点を総合して、本機のキーボードはそれなりの満足度を得ていると結論づけられるのだ。
■ タッチパッド
さて、続いてはあまり使っていないユーザインタフェースだが、キーボードの手前に搭載されているタッチパッドについて取り上げよう。
本機のタッチパッドは上写真にあるように、かなり縦方向が狭まっている。そのため、縦方向のマウスカーソルを動かすのに不利になるのではないかと思ったが、実際に使ってみると感度がいいためか(単に初期設定の問題かもしれない)、狭まっていてもあまり苦に感ずることはなかった。だが、タッチパネルを搭載している本機の場合、このタッチパッドを使うよりも直接パネル(画面)にさわった方が早いので、それに気づいてからはこの機能をDisabledにしている。
いらないといえばそれまでだが、多彩な入力インタフェースを兼ね備えているという積極的な視点に立てば、ユーザの選択肢を増やす意味で価値があるとなるだろう。
といったところで、今回はここまで。次回はこちら。
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