今日から20年前の今日(という言い方もヘンだが)、ThinkPadの初代である「ThinkPad 700C」(我が国ではかなりダサいPS/55note C52 486SLCという型番。486SLCとはIBM社独自のIntel互換プロセッサ…というか当時IBM社とIntel社はプロセッサの共同IPを持っていたので互換とは言わないのが的確だが──で、386ピン互換で486的なもの。とはいえ、本家486系には性能面で劣る)がリリースされた。当時の私は、PC-9800シリーズから足を洗い、いわゆるDOS/Vマシンを利用する中、ノートPCもそれに準ずるものとしてIBM PC/AT互換マシンをあれこれ探して使っていた。20年前といえば、一般にはともかく私の周辺はWindowsシフトが進んでおり(まだ3.0とか3.1だったが)、加えてカラーノートPC(今では携帯ゲームもTFTカラー以上が当たり前だが、カラー液晶パネルが非常に高価な時代)という条件を満たすものは少なく、本当に様々なマシンを物色して選んだ一つがモノクロのPS/55 noteを使っていた流れ(事実上、最初のDOS/V純正マシン──これもヘンな言い方だが)で手を出した本機だったのである。
しかし…。最初に出てくる想い出と言えば「高かった」ということ。カラー液晶(しかもTFT)を搭載したマシンは総じて高額だったのだが(最初のTFT搭載ノートPCと位置づけられるNEC PC-9801NCも確か50万円くらい出して購入)、このPS/55note C52 486SLCは100万円近く出した記憶がある。経費で申請しようにも、当時は大きな財務権限を持っていなかったので、箸にも棒にも引っかからなかった(苦笑)。仕方がないので、自らのボーナス先食いで購入したのも若さ故の過ちの一つと数えていいくらい。だからこそ、まず最初に想い出として出てくるとも言えるわけだが。
そして次に想い出すのは、キーボード中央付近に赤く光る(光っちゃいないが目立つ)TrackPointII。トラックポイントは初体験ではなかったが、これはIIとなったのは伊達じゃなく、大変使い勝手のいいものだった。今はほとんどがタッチパッドが搭載されており、様々なアクションをサポートできるようになっているが、単にマウスカーソルを動かすだけならこれに勝るものはないと今でも思っている。
いい想い出が出てくるかと思ったが、そうでないものも出てきた。あの弁当箱とも称される筐体はかなり壊れやすく、横方向にも縦方向にも弱かった。自重のみで撓むというのも情けないが事実だった。堅牢性云々というには時代が早すぎたかもしれないが、他社ノートPCと比較してもそうだが、何より100万円近くしてこのレベルかと落胆したのも確かであった。
結局、ThinkPadはその後の720Cと名機である750Cを使い続けたものの、どうしても弁当箱筐体が今一つだったことでToshibaのTecraやPortegeに流れ、その後に505からSONYのVAIOを使い続けている。ThinkPad生誕20年ということで書き始めたが、今更にVAIOを使い続けていることを再認識しつつ、今回はここまで。
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