さて、今回は昭和4年(1929年)の東京府北豊島郡西巣鴨町の地図より、池袋駅周辺をピックアップ。
池袋駅は当時の町境にあり、南側は東京府北豊島郡高田町。もともとこの場所に駅はなく信号所だったが、日本鉄道豊島線の建設にあたり、田端駅~目白駅の予定が用地買収等の困難から、目白から池袋信号所付近に変更されたことで池袋駅が開設。現在の池袋駅周辺の繁華街からは想像できないが、大抵の場合、町村境というものは家屋等がなく、用地買収等は容易いことが多い。よって、この地に池袋駅が開設すると同時に重要な分岐(乗換)駅となった。そして開業後10年程で、東上鉄道(現 東武東上線)及び武蔵野鉄道(現 西武池袋線)が池袋駅に接続し、一気に東京市外で有力な繁華街の一つとして数えられるほどになった。ちょうどその頃の地図である。
とはいえ、東口側の道路は幹線道路の一部が整備されつつあったものの、西口側は狭い道路ばかりで、これは戦後の区画整理事業で解消されるまで続く。興味深いのは、工場がかなり目立つことだろうか。特に地図記号の工場マークは東口側に多い。また、これも東口側だが今は見られない寺も三つほどある。すべて移転したのだろうか。
といったところで、今回はここまで。
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