今回は、およそ10年半ほど前に、かつて存在したXWIN II Web Pageの巻頭言として掲載した記事を再掲載する。理由は最後にふれるとして、ともかく始めていこう。なお、本文中に出てくる時間は、すべて掲載時期に依存しており、1か月前というのは掲載時の2001年7月からみて1か月前、となる。
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巻頭言 755「最強PDA iPAQ H3660日本語版」
およそ1か月前の巻頭言 713「現時点における物欲の一方向性」において、私は物欲のベクトルが4つあるとした。改めてそれを列挙すると、
- Dual Xeonシステム
- SPECTRA X20
- iPAQ H3660日本語版
- VAIOノートGR
である。
このうち、最初のDual Xeonシステムについては熱が冷めてしまい、まったく欲しいという気がなくなってしまったが、続くSPECTRA X20は先日購入を実現し、そして三番目のiPAQ H3660日本語版も本日入手できたのである(写真参照)。
(ちなみに4番目のVAIOノートGRは、巻頭言713時点においては「Tualatin+i830M搭載Mobile PC」としていたが、具体的製品の発表がされたことからVAIOノートGRとしてある。と、書いたが、実のところ今回は見送りの可能性が大きい。やはり、冬モデルかなぁ~と考えているのだ。)
で、iPAQだが、最強のPDAという名を欲しいままにしているだけあって、私も当然注目していたのだが、二つの点で躊躇していた。一つは64MB版が出るといわれていながら、わざわざ32MBに手を出すのはナンセンスだと考えていたこと(メモリ増設サーヴィスによる32MB→64MB化がサードパーティによってできるそうだが、やはり壊れやすい環境に遭遇する機会の多いPDAに対し、コンパック自身の保証がなくなるというのはヤな感じなのだ)、そしてジャケットシステムを利用しないとコンパクトフラッシュといった外部ストレージデバイスの拡張ができず、ジャケットを装着したiPAQはかなり分厚く大きくなってしまうというのが懸念だった。
しかし、最近になってジャケットシステムに対する評価が少しばかり変わったのである。それは、「TARGUS STOWAWAY PORTABLE KEYBOARD for SONY CLIE」を導入したことがきっかけだった。
CLIE PEG-N700Cは重さといい大きさといい大変良くできた私にとってお気に入りのPDAなのだが、これにポータブルキーボードを合わせてしまうと、結局大きさ的にかなりがさばってしまうことがわかった。頭の中でわかっていても、実際に自分が実行してみるとよくわかる。キーボードレスのPDAにキーボードは似合わないということがよくわかっただけでなく、Palm OSマシンにはキーボードが似合わないのである。
しかし、一度キーボード入力を味わってしまうと、キーボードが手放せなくなるのは必然で、CLIE PEG-N700Cとポータブルキーボードの両方を持つことになった。そう、お察しのとおり、iPAQとジャケットの二つを持つという下地は整ったのである。
もちろん、iPAQに標準でキーボードはついていない。そして、ユーザインタフェースはPalm OSマシンのようには洗練されていないのもまた確かである(無論個人差はある)。だが、PCやWindows CEマシンで作成したExcelデータなどをそのまま持ってくることができ、さらにそのままPocketPCからPC等に編集後も戻すことができる。つまり、コンパクトフラッシュ等、外部ストレージデバイスさえあればキーボードレスであっても、私にとってそれほど困るものではないのだ。
だったら、それまでのPocketPC、例えばカシオのものや私が持っているHP Jornada 548でもいいのでは?と思われるかもしれないが、そうではない。Jornada 548はデザインなどはよくできているのだが、大変残念なことにSTN液晶ディスプレイである。これがTFT液晶ディスプレイであればよかったのだが、それでも不満は解消しない。それはプロセッサパワー不足であるということである。
Windows CEがベースである以上、どんなにPocketPCが以前のバージョンよりも軽くなったといっても、Palm OSマシンのような軽快さを求めるのは現実的でなかった。これを解決するには、PCと同様にハードウェア能力を向上させることが早道であり、iPAQはプロセッサにStrongARM 206MHzを搭載し、H3660ではメモリを64MB搭載した(一般的なPocketPCでは32MB)。この64MBのメモリは内部ストレージと兼用になっているので、すべてがシステムメモリとして使えるものではないが、64MBという容量はPocketPC環境では鬼に金棒くらい心強い。そして、ジャケットを持ち歩くのも苦にならなくなれば、もはや私が躊躇するものは何もなく、即見つけて購入したというわけだ。
というわけで、まさか今日入手できるとは思わなかったが、無事にiPAQ H3660日本語版の入手はできた。SPECTRA X20導入の続きと、iPAQ H3660日本語版と他PDAの比較記事とどちらを先にしようか迷うが、明日の気分次第でネタは決定したい。では、今日はここまでです。(2001/7/5)
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以上、懐かしい方には懐かしい、そうでない方にはなんだそれ?的なものであったと思うが、どうしてこの記事を今頃再掲したかといえば、今大人気のiPadと1字違いの「iPAQ」というものがあったなぁと唐突に思い出したからである(苦笑)。そんなこんなで、今回はここまで。
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