来ました。ブルーバック画面。
よほどアホなことをしないかぎり、64-bit版Windows 7 SP1ではお目にかかることができないブルーバック画面に遭遇した。より正確に言えば、ブルーバック画面すら出せる状況にない「落ち方」を体験はしているが、今回初めて体験できたのはどういうシーンであったか。画面下方で確認できるように、atikmpag.sysによるものだとなっているように(必ずしもこのデバイスドライバが悪いというわけではないが、巻き込まれたにしても影響を及ぼしたのには変わりはない)、Radeon HD 6550M周りの問題であることがわかる。そう、前回「VAIO Z21(2011年夏モデル)、Power Media Dock との密接な関係」、前々回「VAIO Z21(2011年夏モデル)、バッテリ稼働できず…」でもふれたように、Power Media Dockを接続した状態でスリープモードに移行し、その後復帰させる過程でこのようにブルーバック終了と相成ったのだ。
では、どのようにしてこうなったのか。もう一度見てみよう。
- VAIO Z21をスリープ状態に移行。
- Power Media Dockの電源を引き抜く。
- VAIO Z21をスリープ状態から復帰する前にPower Media Dockの電源を接続(ACコンセントに刺す)。
- VAIO Z21をスリープ状態から復帰。しかし画面はブラックアウトのまま(電源は入っている)。
- Power Media DockとVAIO Z21をつなぐUNLOCKボタンを押すなどするが何も起こらず。
- しばらくしてブルーバック画面が登場。
前回、無事に復帰できた(Radeonから内蔵GPUへの切り替えができた)流れは、
- VAIO Z21をスリープ状態に移行。
- Power Media Dockの電源を引き抜く。
- VAIO Z21をスリープ状態から復帰。
- Windows 7復帰後、GPUがSandy Bridgeに既に切り替わっていることを確認。
- Power Media Dockの電源を接続。
- GPU自動(1アクション入るので半自動)切り替えが発動し、内蔵GPUからRadeonに切り替え。
この過程で成否を分けたのは、Power Media DockのACコンセントを接続するタイミングだ。スリープ復帰前にPower Media Dockに電源をつなぐか、スリープ復帰後につなぐのか。これは、前回記したようにスリープ復帰時にSandy BridgeがGPU探しの旅(走査)に出かけて帰ってこれるか否かに直結する。つまり、スリープ復帰前にPower Media Dockの電源を再投入することで、Sandy BridgeはLightPeakが有効になったことを認識し、自身の内蔵GPUを有効にするのではなく元(Power Media Dock)から接続されていたGPUを探しに行く。これがハングアップやブルーバック画面の元凶(現況)であろう。
(いくらPower Media Dockの電源を再投入したところで、Power Media Dockはバッテリ稼働などできないため、中のGPUやGRAM(VRAM)は初期化されてしまっている。この結果、Sandy Bridgeがスリープ前に保持しているイメージとは不一致となることから、正常に復帰できない。)
ここ2~3日、Power Media DockとVAIO Z21のかかわりを見てくると、主従関係でいえば「主」であるはずのVAIO Z21が「従」であるはずのPower Media Dockに電源を握られ、自立するためにはPower Media Dockを殺す(UNLOCKボタンで正規に切り離すのみならず、ACコンセント抜けも含む)しかないのに、VAIO Z21側で電源コントロールを「主」に奪い返す行為を必要とする。この矛盾した行為を実現しなければ、ハングアップあるいはブルーバック画面に展開してしまう。まさにPower Media DockはデスクトップPC(の一部分)であり、これに従う限りVAIO Z21もまたデスクトップPCでしかなくなるのである。
VAIO Z21、何とも不自由なMobile PCになったものだ…。
薄さを追及するあまり、先代までのZのコンセプトを捨て去ったことによって、あちらを立てればこちらが立たずで、次々と崩壊していく様は、哀れでさえあります。
性能ではディスクトップに劣っても、作業中にいきなり停電しても平気で作業を続けられるのが、ノートパソコンの優れた点であるはずです(バッテリーが死んでない場合)。
いっそ、Apple Macintosh Duo Dockのように、折りたたんで合体(ビルドイン)させれば全て問題解決ではないかと思いました。
次回作に大いに期待したいです。
投稿情報: ひろし | 2011/08/21 11:30
そうなんですよ。Z21は単体では優れたマシンではありますが、同じVAIOノートのSAなどよりもパフォーマンスは低いです。多少の薄さと軽さ以外で、Z21を選択する理由は1920x1080の液晶パネルと第三世代SSDくらいで、これはSAに載せようとすればできるものです。
Z21とPower Media Dockの主従関係を改善する最善手は、UNLOCK(ドッキング解除)を完全なPnP化することなのですが、Sandy BridgeとRadeonの組み合わせではこれができません。というよりPCI Express、LightPeak経由とした時点で困難です(PC本体内部であれば唐突に生き別れしにくいし、何よりSandy Bridgeに直結=PCI Express Gen2 x 16が使えるのでGPU切り替えが視し易い)。
仰せの通り、Built in方式の方がまだましなのですが、肝心の部分で完全なPnPができていない以上、いかなる合体方法を採っても根本的な解決にならないと考えます。
開発陣がくだらないところで技術力を誇示するくらいなら、こういう使い勝手に大きく関わるところで技術力を発揮してもらいたいものです。ま、できなかったからこうなっているのでしょうが(苦笑)。
投稿情報: XWIN II | 2011/08/21 11:55
あなたの言う完全なPnPができるに越したことはないですが、出来なくてもあまり困ることはないですよ?
文句をいうためのレポではなく客観的に評価してもらえれば幸いです。
投稿情報: omanuke | 2011/08/21 12:29
客観とは読み手の問題であって書き手の問題ではありません。
複数の意見を読み取ることが客観的といえ、一人の書いた意見はそれがどんなに客観をうたうものであっても主観でしかないのです。
投稿情報: XWIN II | 2011/08/21 12:51
はじめまして。旧VAIOZでいろいろ検索していたらたどり着きました。非常に興味深い内容で勉強になります。
正直言って広色域の13インチFHDディスプレイでユーザーを人質にとるような行為を行うソニーに怒り心頭ですが、ただのモバイルノートとして売ればいいものを未練がましく外部GPU必須派をなんとか取り込もうとした結果PMDという完全に蛇足のデバイスがこのようなトラブルを引き起こしている状況は残念でなりません。
願わくばソニーが混乱から回復してSAに広色域FHDを搭載して発売するか、VPCZ1xコンセプトそのままにSandy世代に載せかえて発売してもらいたいですね。
投稿情報: ender | 2011/08/21 16:13
書くという行為に客観性は存在しますよ。当たり前です。
正しくは客観的であるように書こうとするということでしょうか。
言葉遊びはどうでもいいですが、言っていることの意味はわかるでしょう?
投稿情報: omanuke | 2011/08/21 18:03
仰せの通り、フルHDや高性能SSDが人質に取られているのですが、これはこれでSONYの戦略なので仕方がありません。気に入らなければ買うな、ということかと思いますね。
Zの歴史を紐解いていけば、既に2回中断したことがあり、一度目はSシリーズの派生としてtype SZが登場し、そしてtype Zとして復活。そして今度はZ11からZ21の半年ほどの中断後に出てきたわけですが、これはXZというかZXというか、どちらにしてもSONY的にはZと標榜していますが、私的にはZの亜流(SZみたいな)に見えます。つまり、Zは未だ中断状態にある、という印象ですね。
投稿情報: XWIN II | 2011/08/21 18:27
仕方がないので、もう一回だけ書きましょう。
>書くという行為に客観性は存在しますよ。当たり前です。
当たり前という言葉は信用できませんね、何の証明にもなりません。客観的な姿勢でというつもりなのでしょうが、そんなものは自身の思い込みに過ぎないのです。要は相手の受け取り方如何でどうとでもなるものです。当たり前、と宣う時点で、貴殿には悪いですがこれ以上は付き合い切れません。
例えば、数字やデータの羅列のようなものは客観的か、といえばもちろんそんなことはありません。当該データを抽出する、選抜する、掲載するという行為が「人の手(思惑)」を経ている以上、主観(思惑)が入り込んでいるのですよ。それを客観とするなら、言葉遊び以前に考え方、立ち位置が違います。いい・わるいと白黒つける話でもないでしょう。
また、先にふれたように当blogは「一人が書いた意見」で、しかも「徒然と興味のあること」を書いているに過ぎないので、客観性を求められても答(応)えようがないのも確かで、久々にこのblogがどういう立ち位置かを説明するのに都合がいいコメントだったので、活用させていただいた次第。どうもありがとうございます。
オマケ(余談)ですが
私は、みんなの意見がこうだとか、大勢はこうだと個人が言うことはまったく信用していません。何人かに聞いてみて、なるほどと思うことはあれど、鵜呑みをすることは避けています。そういうことはマーケティングにかかわるような仕事を体験すれば、いやと言うほど体験できます。客観性を装いつつ、実際には誘導されているに過ぎない、と。
投稿情報: XWIN II | 2011/08/21 18:46