いわゆる主婦年金切り替え忘れ(ただの未納)救済問題だが、様々な意見が噴出してどこに軟着陸させるつもりなのか、興味津々といった感じである。だが、どのような救済策であれ間違いなく言えることは、既に「保険」制度でなくなってしまうことだろう。例えば、火災「保険」とかで──
お客「うちが火事になっちゃったんで、保険に入りたいんだけど」
保険会社「お客様、申し訳ございませんが、火災保険の適用を受けるには不動産・動産価値の見積りや……」
お客「保険料払えばいいんだろ。ちゃんと火事になる前の日までの保険料払うよ」
保険会社「…………(バカかこいつぁ)」
といった感じで、「保険」とは事実(事故)発生によるリスクを分散させるだけでなく、費用負担を互いに助け合う相互扶助の精神に基づくものであり、特に年金のように長期にわたって保険料を支払い続け、かつ受給も一般的には長期にわたっていくものについては、なおさらである。そして、老齢年金のようなリスク分散の源泉が「被保険者の年金受給前後の死亡」に依存しているものであれば、この超高齢化社会+少子化にあっては既に制度が破綻しているといっても過言ではない。
また、年金「保険」を積立金か同類のものと勘違いしているような当局側の判断も問題だ。伝え聞こえる厚労省案(総務省等の意向も汲んでいる?)では「国民年金に切り替えずに生じた未納期間を無条件で加入期間とし、未納分の保険料をすべてさかのぼって払えるようにする」という、まるで先ほどの火災保険の愚例と同類にしか見えない法改正のようで、このような法改正がされたとするなら、年金「保険」制度は自らの手で「保険」であることを放棄するとなるだろう。
可能であるなら、私も受給すると確実になった段階でまとめて保険料を払うという特例に該当したい(苦笑)と思いつつ、今回はここまで。(追記:タレコミ情報によると、上例のような話は地方自治体が運営する国民健康保険制度では常態化しているようである。長期間未納で入院するから保険料(税)払うみたいな…。事実だとするならさすがはお役所←褒めているわけではありません。)
コメント