ここのところ、毎回放射線関連の記事になってしまっているが、私の興味の焦点がそこに移ってしまっているのでご容赦願いたい。今回は、いつも参照している健康安全研究センターの環境放射線測定結果をまたグラフ化してみた。
今回は公開されている情報のうち、3月15日午前0時台から3月25日午前6時台までをプロット。注目すべき点を3点設け、グラフ内に時間帯を特記している。一つ目は3月15日午前10時台で、ピークは0.809μGy/h。続いて同日午後7時台で、ピークは0.458μGy/h。そして三つ目は当blog記事でも取り上げたように、雨による放射性物質のフォールアウト加速によって常時0.1μGy/hを観測するようになった。
さて、今日で大地震から二週間となったわけだが、この間、原発からの人工放射線は出続けていると見ていい。ただし、近距離は別として東京圏のように200km程度離れているような場所であれば、常時同レベルの放射線量とはならず、風向きによって大きく変わる。とはいえ、放射性物質がある程度まとまりやすい場所(沃素131は水溶性なので、雨経由で河川や土壌を汚染する)であれば、時間の経過と共に離れたところであっても集約されることで汚染されるのは自明である。そして、沃素131の半減期は約8日なのでそれほど長く影響を受けないという意見もあるが、出続けている状況が続けばこの見解が無意味であることも自明となる。
現在の被曝基準は非常に厳しいものであるし、また一年間常時同じ状態であった場合の基準である。安全安全と連呼するのもいかがなものか(選挙運動における候補者名連呼と同レベル)と思うが、一方で東京圏にいながら西へ避難してしまう輩もいかがなものか(交通事故が増えたと言うことで一歩も外に出ないと同レベル)と思う。とどのつまり、原発から放射線あるいは放射性物質が漏れ続けている現状がどれだけ続くのかという見通しが出ない限りは、どちらの立場にも立てないのだ。
問題は、どれだけ早く原発を黙らせるかにかかっているが、さて我が国のリーダーはどうするつもりなのか。専門家(プロ)の意見に右往左往するのか注視していこう。
2011年3月27日追記
先週、France F2の20時のニュースで仏IRSN(Institut de Radioprotection et de Sûreté Nucléaire)による放射能雲のシミュレーションが紹介されたが、これを見た当初はあくまで予想だろうと高をくくっていたが、上記のような観測値を見るとあながち外れていないというか、ほぼ予想通りだと慄然した。
このシミュレーションにおける日時表示は日本時間に合わせられているので、これはそのまま3月15日午前5時時点のもの。この頃から風向きが変わったことで首都圏に放射能雲が流れ込んできた。これが徐々に降下(フォールアウト)してきたことで、ピーク値0.809μGy/hを記録したと読める。
この放射能雲のピークは15日午後1時頃を示し、
ようやく16日午後0時になって首都圏を外れている。無論、これはシミュレーション結果であって、事実はこの通りではない。とはいえ、客観データも示さず安全だと題目を唱えるだけの安全教よりはましだ。
先ずは安堵の胸を撫で下ろすことができるようです。ちなみに家内の父は歯科医ですが、当時は野放しで全くシールド無しでレントゲン撮影をしていたと家内は言っていましたが結構長生きしました。昔はレントゲン技師が危険にさらされいると聞きましたが、今日は遮蔽されているので安全なのでしょう。キューリー夫妻も放射線で命を落としています。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2011/03/26 13:53