大地震が発生して三度目の土曜日。あれから半月ほど経過したが、被災地はもちろん、福島原発の様子も予断を許せない状況が続いている。しかも、昨日(25日)は第一原発3号機の状況が相当悪いとようやく公式発表があり、欧米メディアが大地震発生以来、懸念していたことが白日の下に曝されたことで、ますます我が国、特に東京電力の信用が損なわれている。
例えば、米CNNは原発事故発生以来、東京電力の資産保全第一の姿勢に疑問を投げかけ、早急に危機対応できたはずのもの(米国の冷却剤提供を断る等←これについて東電等は言い訳に終始)ができなかったことに対して、危機管理の欠如、無責任体質を報道している。
そして、英BBCは環太平洋火山帯に位置する地震国日本に、なぜこれだけ多くの原子力発電所が立地しているかについて、政治と大企業、御用学者の癒着体質に言及。国民の安全など二の次という姿勢と安全神話の普及だけに力を注いできた結果がこれであると言わんばかりのレポートだ。
さらに毎日視聴している仏F2では、25日20時のニュースで福島第一原発3号機の深刻な状況をレポートする中、絵解きで原子炉内の燃料棒が溶融するとどのようなことが起こるかを示唆。メルトダウンによる再臨界が近づいているという内容である。
(C)F2
実際、東京電力は3号機に対してまったく有効な手を打つことができず、また対応策自体すら出てこないので、メルトダウンによる大量の放射性物質拡散は時間の問題だろう。しかも3号機はプルサーマルである。(参考記事:「爆発した福島第一原発三号機はプルサーマル発電」)
(C)F2
もう一つ、仏F2からのニュースをご紹介する。岩手県田老町の防潮堤(ニュース内では防波堤?と表現)のレポート。世界最大級の防潮堤について、絶対安全だと信じていたという地元の声と、そんなものに金をかけるよりも避難誘導設備に金をかけた方がよかったのではという声を現地リポートとして伝えていた。自然の力の前には人の力など無力だと言うこと、絶対安全などあり得ないのだとして冷静に伝えていた。
風評被害やよくない噂話は、現場から離れれば離れるほど増幅されていくものである。宮崎の鳥インフルエンザや英米の狂牛病など、我が国でも過剰とも思える風評被害が見られていたが、今回も同じことが起こっていると言えなくもない。しかし、原発事故問題はそういうレベルを超越しており、一企業、一国の問題ではない。くだらない見栄などはらず、そろそろ情報を完全に公開して「無条件降伏」すべき時期に来ている、いや遅すぎると言うべきかもしれないか…。
(C)NNN
思えば、3月14日の3号機爆発時点(小さいキノコ雲発生)で打つべき手は決まっていたか。
コメント