Microsoft社の日本法人は、昨日(1日)かねてから予定していたとおり、日本マイクロソフトに社名変更した。社名変更は、現社長の樋口氏が大手IT他社のように「日本○○」としたかったのかという想いがあったかは定かでないが、正直、今一つの響きを感じてしまう。もっとも一般消費者向けへの社名変更ではなく、B2Bへの貢献が目的ならば、ダサいと感じ取られたとしてもどうという問題ではないのだろう。要は、社長の自己満足さえ満たされればそれでいいのだから。
私の場合、Microsoft日本法人が誕生する前のアスキー・マイクロソフトの時代よりもさらに前となる頃から見聞きしていたMicrosoftという名前(かつてのロゴはMicroSoftというように一単語としての知名度を押すことすら難しかった)なので、これに日本を冠されてしまうとむしろ矮小化したと感じてしまうのだ。一方、日本アイ・ビー・エムのように、私が最初からこの名を見聞きしていたものに対しては、IBM社との違いを際立たせるという意味も込めてダサいと感ずることはない。つまり、単に聞き慣れていたかいないかという要素に加えて、本社とは別の独自性を持っているかどうかという点について、名実伴っているかという要素が大きいと考えるわけだ。
日本マイクロソフトの主力商品を眺めてみると、我が国向けにローカライズされているのはもちろんだが、これとてグローバル戦略の一環として英語以外の多言語と同様の扱いであるので、日本法人独自のものとは言えない。我が国内の企業間戦略という狭い範囲においては独自性は見られるだろうが、あくまで広い意味での営業という範疇に止まるもので、製品開発の世界においては日本マイクロソフト発で大きく普及・貢献している製品を知らない。
思うに、本当に日本マイクロソフトを名乗るのであれば、エンドユーザ的視点からはWindowsの日本語入力インタフェースであるMS IMEを、せめてATOKレベルにまで引き上げていただかないと、名は日本マイクロソフトであっても所詮実はMicrosoft日本法人のままでしかないとしか見えない。そんなことを思いつつ、今回はここまで。
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