それなりの昔は、英語を学習する生きた教材としてCNNニュースなどが「有料で販売」されていたこともあったが、今ではそんなことをしなくともインターネット経由でいくらでも手に入るし、NHK BSでは邦訳までついて放映されてもいる。もちろん英語だけでなく、様々な言語のニュースなどもいとも簡単に手に入る。こういう時代においては、情報を欲する姿勢よりもいかに適切な情報を選択するかという能力が、より求められるものだろう。そんな中でも、優良な教材として採り上げられることが多いのが、米国大統領の一般教書演説だ。しかもこれが演説上手のオバマ大統領にかかると、たとえ同じ原稿を持っていたとしても同様に振る舞うことなどできないのはもちろんだが、あの言葉(演説)をそのまま聴いてしまうと、内容を正当に評価しにくいのも確かだろう。そういうときには、やはり原稿を読むに限る。で、これもインターネット普及のおかげで難なく手に入るようになった。本当にいい時代になったものだ。
参考にしたのは、ウォール・ストリート・ジャーナル 日本版「オバマ米大統領の2011年一般教書演説原稿(英文)」という記事。邦訳は載っていないが、それほど難しい言い回しもないので、下手な邦訳文を読むよりは原文を読んだ方が良いだろう。いちいち比較していないので何とも言えないが、一般的に原稿と演説では一部異なる場合があるので、一言一句がまったく同じだとすることはできない。とはいえ、内容は変わるものではないはずなので、演説を聴いた後、これを読んで私なりに感じたことを書き殴ってみよう。
まず、最初に。各種報道でもふれられているが、昨年の中間選挙で敗北した結果、対立から協力へと訴えていることに注目である。我が国と同じように「ねじれ」議会であるので、野党との協力なくして法案の成立など見込めないわけだから、これは当然の訴えと言える。ただ、いきなり協力を訴えるのではなく、
But there’s a reason the tragedy in Tucson gave us pause. Amid all the noise and passions and rancor of our public debate, Tucson reminded us that no matter who we are or where we come from, each of us is a part of something greater – something more consequential than party or political preference.
とあるように、米国アリゾナ州ツーソン(Tucson)で起きた銃乱射事件を前振りに使っている。この事件の背景には、民主・共和の党派対立が背景にあるとも囁かれているので、このような対立は悲劇しか生まず、むしろ対立する暇があるなら、成長著しい新興国の中国やインドから世界一の座を守るために団結を訴えているという展開である。
と、ここまで書いておいて、続きはまた次回(予定)。
フランス語ばかりでなく時には英語の翻訳に携わったものとして、恥ずかしい限りですが、CONSEQUENTIALの用法を知りませんでした。多分インテリ用語かと思いますが、日本人には思い浮かばない言葉だと思います。契約書の翻訳に携わったことがありますのでこの言葉からは間接損害CONSEQUENTIAL DAMAGEしか頭に浮かびませんでした。ただただ自分の浅学を恥じるのみです。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2011/01/27 12:14