忙しいとしつつ、PSPというプラットホームを得たことで「タクティクスオウガ 運命の輪」をいつでもプレイできるというメリットは大きく、様々な時間の合間に寸暇を惜しんでプレイした結果、ようやくエンディングに到達することができた。もちろん、本作はオリジナルのSFC版から追加要素があって、まだまだこれからという部分も多いが、ストーリー上のエンディングに到達したことで、ここまでのプレイ感想などを述べていくことにしよう。
まずは、これまでも書いてきたように「タクティクスオウガ 運命の輪」は、単なるリメイクでない再構築されたとされるだけあって、懐かしさの中に新しさがあり、特に戦略については「ハボリムのペトロクラウド頼り」というつまらない戦略に依存しない(やろうと思えばできるが)、まったく新しい戦略を立てながらのものとなった点が大きい。この要素によって、単なるリメイクではない「楽しさ」を見出すことができた。一方、キャラクターでなく職業(クラス)にレベルが依存することになって、すぐさま戦力化する反面、なかなか新しいクラスを育成しにくくなった(もっともオリジナル版での味方同士の殴り合いよりはいいが)が、その部分をどう乗り越えるかを編み出せれば、かなり進めやすくなったと思えた。
そして、運命の輪システムはエンディングを迎えたことで新たな機能を拡張(過去に遡れる)されるが、それまでの運命の輪システムもオリジナル版経験プレイヤーにはありがたいものとなった。オリジナル版を未経験のプレイヤーに、これがどう映るかはそうでない私にとっては何とも言えないところだが、経験者には自分がどこに今いるのか、そしてどのような選択肢があったのかを視覚的に確認できるのはありがたい。ただ、本作で追加されたシナリオについては、どう分岐するのかどこで終わるのかが見えないので、単なるストーリー確認だけにとどまった。こう感じたことから、やはり運命の輪システムはオリジナル版経験者や一度でもエンディングに到達できたプレイヤーが活用すべきものなのだろう。だからこそ、機能拡張されるのもそのタイミングだということか。
私が体験したのは、いわゆるカオスルートで、第1章→第2章「思い通りにいかないのが世の中なんて 割り切りたくないから」→第3章「駆り立てるのは野心と欲望、 横たわるのは犬と豚」→第4章という流れ。オリジナル版のストーリーを思い出しながら、仲間にできる人はすべて仲間にし(たはず。途中で本作で追加された要素について疑義がないわけではないが)、空中庭園に突っ込む流れ。死者の宮殿は地下2階まで、その他ダンジョンも6つの砦のシャーマンシナリオのみを対象にしただけで、デネブの仲間入りも見送り。かなりやり残し感が強い状態でのクリアだが、追加DLCでの情報から一度エンディングを迎えないとプレイできないことがわかり、サクッとエンディングに到達することに目標を変更したからである。
本作はオリジナル版と同様、序盤の方が難しい。というのも、手が限られているというのもあるが、後半になってくれば本作で追加されたスキルをセットして底上げを図ることができるし、敵側にレベルキャップが存在しているようで、通常は味方のレベルに合わせた格好で揃えられる敵側のレベルも、空中庭園ではほとんど敵側がレベル22を超えておらず、結果としてレベル差での力押しが可能な点にある。ただし、最終決戦の地では、これが自分の首を絞めることにつながるが、最終ボスを倒すためにはこの試練に打ち勝たねばならないので、最後の最後に骨がある戦いを味わうことができたとなるだろう。
(ちなみに最終ボスは、本作で追加された要素である必殺技の4連発で決着。このことから、状態がそのまま引き継がれる直前の戦いがいかに重要になるかがわかるだろう。)
で、結局、主人公のデニムは最初のクラスであるウォリアーから一度もクラスチェンジを経験することなく、最終決戦もウォリアーのまま終わった。スキルのおかげでそこそこ使えることと、ロンバルディアを得てからはまさに縦横無尽の大活躍。そして、オリジナル版ではプリンセスとして活躍したカチュアは、レベル1に降格してしまうプリンセスへのクラスチェンジを行わず、あえてプリーストのままで最終決戦を迎えた。基本、1クラス1人参戦という自分ルールで縛りを与えたからであるが、回復役がクレリックだけではどうしても足りず、プリーストが便利だったからである。シャーマンがもう少し使えるなら(慣れの問題)別の手を考えたかもしれないが、先にもふれたように早くエンディングに到達させようという方針転換を行ったことで、新クラスを育成しようとならなかったためでもある。
以上、雑感を述べてみたが、やはり本作は優れた作品だとなるだろう。モバゲーをゲームだと思っている人たちには敷居が高すぎる本作だが、大変テンポもよく、やり直しもある程度はきく本作は、シミュレーションRPGの名作とされるオリジナル版を超越したと実感する。そんな印象を抱きつつ、今回はここまで。
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