昨日も、氷河特急(Glacier Expressを直訳すると急行としか読めないような気がするが、主流が特急表記なので大勢に迎合し、今回は特急表記とする)事故について、だんだんと詳細が明らかになりつつあるが、一方で我が国大衆の特性としてかなり飽きっぽいので、きっと来週には話題にも上らなくなりそうな気がする。なので、今回はもう一回だけこの話題を採り上げておきたい。
私が興味を覚えたのは、私自身がこれに乗ったことがあるというだけでなく、いったい事故現場はどのような場所だったのか、という点にあった。だが、我が国のニュースソースはほとんどすべて欧州(大半がスイスまたはドイツ)発のものばかりなので、そちらのWebサイト経由で現地を特定したところ、おそらくニュース映像から見てここだろうと判断した。
場所はスイス連邦内のヴァレー州(ドイツ語表記 Wallis、フランス語表記 Valais)北東端部にあり、Lex駅とFiesch Feriendorf駅の間、ややFiesch Feriendorf駅寄りに位置する。★印で示した場所が事故現場で、Lex駅側から進んでいき、比較的曲線の多い場所といえる。
さらに事故現場(写真に×。なお、この位置は車輌が横倒しになった所ではなく、この付近で脱線したと思われる箇所を指す)を拡大すると、イメージとして小さい谷の一つを曲線勾配で下り上りし、その曲線の変曲点付近で脱線、進行方向に慣性が働くため、線路右側(上写真でいうと下方向)に横倒しになったことがわかる。
既にスイス当局、運営会社なども含め、一番確かな現場の状況を確認しながら事故原因の究明は始まっているが、観光需要に多くを頼るこの鉄道にとって、物流経済的な要請でない運輸(それを言ったらスイスの鉄道運輸の多くはそうかもしれないが)ということも含め、イメージの回復には時間を要するだろう。
そんなことを気にしつつ、今回はここまで。
詳しい地図有り難うございます。フランス語地域と南ドイツ語地域のと境目であるような印象を受けます。救急活動で言語の壁が障害となったようですが、添乗員も負傷しているようですし、パニックになると外国語が出てこなくなることがしばしばあります。翻訳ソフトが入った携帯辞書を手放せませんね。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/07/25 14:04
航空写真ありがとうございます。私もスイスの鉄道に関心があり、現場を特定しようと思いました。色々なニュースを読むと、現場は「短い橋にさしかかる緩い左カーブ」とあったり、「機関車と前半の3両は橋を渡りきった」などとあります。地形図から見ると濃い緑色の部分は、尾根ではなく、谷ですので、現場はそのLax側、つまりX印をつけられている手前の右カーブ(橋のあるところ)のさらに手前ではないでしょうか。ニュース写真を見ても、付近は草原ではなくて、樹木があるようです。
私のHPも見てください。
投稿情報: hirodas | 2010/07/26 13:49
さきほど投稿したhirodasこと辻本です。
今改めてリンクされているスイスのテレビ?のヘリ映像を見たところ、私の見立ても違っていることがわかりました。樹木の配置や、下に移っている長方形の施設との位置関係から見て、X印はもう少しフィーシュよりの、アップ写真では線路の左側に赤い建物らしき物がある手前だと思います。
お騒がせしました。私のページも今夜修正いたします。
投稿情報: hirodas | 2010/07/26 15:47
hirodas(辻本)様、コメントありがとうございます。
場所特定の簡単な経緯は本文中にふれたとおりですが、決定的証拠はTVのヘリからの映像に映っていた川の沿岸にある浄水場?のような施設です。これがなければ特定が困難でした。航空写真から浄水場?のような施設を川沿いに探しました。
で、事故現場についてですが、車輌が横倒しになった場所を指しているのではなく、事故が発生したであろう箇所に×印をつけました。本文中にはそのようなフォロゥを追記し、また尾根と谷と見誤った所に関しては訂正致しました。感謝申し上げます。
投稿情報: XWIN II | 2010/07/29 07:08