前回、「荏原名勝」地図に見る池上電気鉄道とその周辺として、「荏原名勝」(出版:翠紅園。価格:40銭)に掲載されている「荏原郡交通全図」の全体図とその部分図(池上電気鉄道周辺)を紹介したが、ご意見として世田谷区部分も拡大掲載してほしいという要望を頂戴したので、今回はその部分を掲載する。
世田谷地域は、池上電気鉄道関連の研究ほどできていないので、突っ込んだ解説などができないのはご容赦願いたい。で、確認してみると、図中央部に今日の東急世田谷線の線路と見られる曲線が描かれているが、まだ未開業である(開業はこの本書出版の翌年)。また、開業したばかりの砧線が書かれているなど、本図は進取性にとんでいたことも確認できる。他には、玉川電気鉄道と京王電気軌道の路線が書かれているが、どちらも主要街道に併設された路面電車である。そういう視点で見ると、今日の東急世田谷線はほとんどが専用軌道というのは、当地域においては画期的な路線だったとも思える。
と、いったところで今回はここまで。
玉電が渋谷で山手線をくぐって伸びていますので多分天現寺まで開通していたのでしょう。駒沢通りの中目黒線はまだ開通していないようです。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/04/02 10:04
玉電沿線の特徴としては陸軍関係の施設が多いことでしょう。車内では軍人さんを多く見かけたものです。大橋の北側の丘の上に近衛緇重連隊があり、学生時代にトラックのエンジンの整備実習を受けた記憶があります。アメリカと戦争しているのに多数のフォードとジーエムのエンジンが多数あったのが印象的でした。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/04/03 11:06
木造院電車両マニア様、コメントありがとうございます。
対国民向けプロパガンダであることは、戦前も戦後も何も変わることはないでしょう。メディアが豊富になった分、手法が細かくなっただけ、という印象を受けます。世田谷区域で面白いな、と思ったのは、玉川電気鉄道の世田谷駅が三軒茶屋駅よりも渋谷寄りにあったことです。このあたりに「世田谷」と冠したことは、いかに今日の世田谷区という領域が広域化したものなのかと感歎します。
投稿情報: XWIN II | 2010/04/04 08:14