昔はベンチマークテストといえば、Super π(104万桁)だったよなぁ…。
ということで、私がここ10年ほどの間に利活用したPC(すべてではない)におけるSuper π 1.1(104万桁)の実行結果をまずは列挙してみよう。
- Dual Xeon(Foster) 1.70GHz → 111秒
- Dual Xeon(Prestonia) 2.20GHz → 83秒
- VAIO PCG-GR9E(Mobile Pentium III-M 1.20GHz)→ 115秒
- VAIO Z [初代](Pentium M 1.60GHz)→ 59秒
- VAIO type SZ(Core Duo T2600(2.13GHz))→ 29秒
- VAIO type Z (Core 2 Duo T9600(2.80GHz))→ 17秒
最初の二つのXeonは、NetBurstマイクロアーキテクチャの参考例として。FosterはHyper-Threadingテクノロジ無し、PrestoniaはHyper-Threadingテクノロジが初めて有効にされたプロセッサだった。Super πはこの当時においても古参ベンチマークテストと言われており、浮動小数点演算命令とディスクI/O周りを酷使する(πの計算結果をディスクに書き込むため)「重い」計算プログラムとして健在だった。そして、NetBurstマイクロアーキテクチャではいわゆるx87命令を処理する部分がそれほど力を入れていない(構成トランジスタ数が少ない)こともあって、同時代のAMD社のプロセッサと比べてSuper πの実行成績は今ひとつ。このことは、P6マイクロアーキテクチャ最終形となるTualatinコアを採用したMobile Pentium III-M 1.20GHzを搭載したVAIO PCG-GR9Eが115秒ということからも確認できるはずだ(1.20GHzで115秒、1.70GHzで111秒なのだから)。
クロック至上主義による弊害から、P6マイクロアーキテクチャを省電力指向で改良したのがBaniasこと、初代Pentium M。これを搭載した初代VAIO Zは、コアクロックで上回るXeonよりも高速にSuper πを実行し、NetBurstマイクロアーキテクチャの2倍程度の差をつけた。これが後のCoreマイクロアーキテクチャへの移行の嚆矢であったのだ。
そのBaniasを大きく上回るのが、VAIO type SZが搭載するCore Duo(Yonah)。64-bit対応していなかったために不遇な扱いを受けるが、今ではIntel社も公式に最初のCoreマイクロアーキテクチャを搭載したプロセッサであると扱われており、ここに至って30秒を切った。そして、PenrynコアのCore 2 Duo T9600では17秒にまで高速化され、Super π(104万桁)は「重い」から「軽い」に変わってきた。さらにCore i7-620Mではどうなったか。
何と13秒。なお、WOW64環境で実行しているためか、Super π 1.1の物理メモリ等の把握がおかしくなっているが、実行には問題ない。着実にパフォーマンスは上がっていることが確認できたことで、今回はここまで。
コメント