その昔、路面電車全盛時代は、東京においても100km以上の路線を東京都交通局が運営していたが、モータリゼィションの進展により邪魔者扱いされ、いわゆる都電は今では半分ほどが専用軌道である都電荒川線だけが残っている。
その都電荒川線の拠点駅の一つである王子駅前そばにある飛鳥山公園。ここには、それに因んでかこのようなものが鎮座している。
都電6000型の一つ、6080である。見た感じ、よくある公園の旧車両であるが、特筆すべきはその保存状態で写真からもわかるように大変きれいである。しかもちゃんと中に入ることもできる。
ご覧のように中も大変きれいになっていて、手入れがよく施されていることがわかる。この手の公園に据え置かれている旧車両は、見るも哀れな放置状態となっているものが少なくない中、この車両を管理する東京都北区はなかなかいい仕事をしているといった印象だ。
そして案内板。これもきれいだ。字が読みにくいので以下に引用すると、
この都電6080は昭和53年4月まで飛鳥山公園脇の荒川線を走っていた車両です、
荒川線の前身は「王子電気軌道株式会社」といい通称「王電」の名で親しまれた私営の郊外電車でした。明治44年8月大塚⇔飛鳥山上間2.45kmの開業がはじまりで、その後王子を中心に早稲田、三の輪、赤羽を結ぶ路線が完成し昭和17年当時の東京市に譲渡されたのです。この車両は6000型と呼ばれており戦後はじめての新造車で昭和24年に製造されたものです。青山、大久保、駒込の各車庫を経て昭和46年3月荒川車庫の配置となり現役を退くまで都民の足として活躍していました。
北区では都電のワンマン化を機会に交通局から譲り受け子供たちの施設として設置したものです。
閉鎖時間 PM4:30~翌AM9:00
連絡先 北区道路公園課
電話 03-3908-9275
正確にいつ北区に譲渡され、いつからここに鎮座されているかは不明だが、仮に途中で化粧直ししているとしても、これだけの保存状態で公園に設置されているのは素晴らしいものである。解説も適当な長さで過不足もなく、好印象を持った。都電荒川線が今でも走るこの場所だからこそ、このような地元の歴史を遊びながら学べることは重要である。何だかべた褒めだが、実際そういう印象なので仕方がない。そんなことを言いつつ、今回はここまで。
XWIN II様
都電保存車両
座席が木製ですが、清掃管理上モケット張りとしなかったのでしょう。窓も安全レールが取り付けられていて子供に対する配慮がなされています。床の整流子点検用の蓋も懐かしいですね。周波数制御以来この蓋は見られなくなりました。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/03/02 00:07
木の座席って、案外いいんですよね。暖かくて。池上線や多摩川線のプラットホームを思い出します。
函館へ行ったときに、市電を待っていたら、一番レトロな車両が来て。床が木製でした。あれは、どこかのお古なのかな?もしかして、都電?
結構感激いたしました。
投稿情報: りっこ | 2010/03/03 07:32
りっこ様、コメントありがとうございます。
電車について詳しくはないのですが、車両の譲渡は色んな所で行われているようなので、函館市電もあるのかもしれませんね。木製というのは保守という面からいいのか、悪いのか、にも興味があったりします。
投稿情報: XWIN II | 2010/03/03 07:44