2010年が明けてまだ10日も経っていないのに、2011年のことを考えるなんてどうかしてる?って人にはまさにどうかしてる話でしかないが、AMD社の強いプレッシャーがなかなかIntel社にかかってこないため、なんちゃってグラフィックス統合プロセッサが2010年の主役になる勢いである。なので、まったく2010年への興味を失ってしまった。
そこで2011年。こうなるだろうという予想と、こうなってほしいという希望を入り交えてみれば、タイトルにも掲げたようにIntel社のマイクロプロセッサの真のプロセッサコア演算性能は、
Sandy Bridge > Atom > Nehalem
となるのではないか、と考える。
理由は自明で、Atomについてはマイクロアーキテクチャ上、大きくコアクロックを引き上げることができない構造ではあるが、ダイサイズが極めて小さいために、マルチコア(メニィコア)化しやすい。しかも、μOPs(マイクロオペレーション)に分解しないことから、原則としてP6以降のマイクロアーキテクチャを持つプロセッサよりもx86命令(x64命令は微妙)の実行効率が高い。なので、単純計算だがAtomの演算部分のコアを16個くらい集めても、TDPは35W枠内に収まる可能性が高い。つまり、コアクロック2GHzで16コア(Hyper-Threadingテクノロジによって論理コアは32個)となれば、並列度の高いソフトウェアを動作させるのなら、最も性能の高いものがAtomとなるだろう。
これはAtomの開発時期を考えれば、現行NehalemアーキテクチャのベースであるCoreマイクロアーキテクチャよりも後に開発されていることから明らかだろう。電力効率の高い命令実行にフォーカスした設計が、通常電圧下において性能を発揮することは、Coreマイクロアーキテクチャ(より前はBanias)の経験からも確認できているように、大きくコアクロックを引き上げない限り、つまりMobile用途などの低消費電力指向の影響が強い部分も含め、この設計手法が有効に働くのは当然だからである。
そして、Atomという下からの圧力を感じながら開発の進むSandy Bridgeにおいては、当然Atomよりもさらに電力効率の高い方法で実装されるのは確かだろう。でなければ、いわゆるx86(x64)プロセッサはすべてAtomになってしまい、Intel社内の政治力学がまた大きく作用するからに他ならない。そうならないよう、Sandy Bridgeの開発には新たな概念のものが取り入れられる可能性が高い。また、絶対性能としてもAtomよりトランジスタリソースを潤沢に使えるので、Atomでは利用したくても利用できないような方法もあるかもしれない。
そんなわけで、Sandy Bridgeは希望的観測を多分に含むが、来年2011年には、特にMobileにおいては「Sandy Bridge > Atom > Nehalem」となるのではないか、と予想するのである。
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