今日(11日)は、ドラクエ9の発売日でもあるが、東急大井町線の延伸区間「二子玉川~溝の口」開業日でもある。とはいえ、この区間はなかなか歴史的に複雑な経緯がある。
1927年7月15日 玉川電気鉄道により、玉川~溝ノ口開業。
1938年4月1日 玉川電気鉄道、東京横浜電鉄に合併。
1943年7月1日 1,372mmから1,067mmに改軌し、玉川線から大井町線に編入。
1963年10月11日 大井町線を田園都市線と改称。
1979年8月12日 新玉川線開通に合わせ、大井町~二子玉川園間を大井町線として分離。渋谷方面への直通運転に変更。
2009年7月11日 大井町線が二子玉川~溝の口延伸。この区間は事実上複々線となる。
要するに、玉川電気鉄道が軌道として開業させたものを途中から大井町線へと転換。その後、田園都市線の一部を担うようになり、新玉川線(現 田園都市線の一部)や半蔵門線等との直通運転を行うようになったが、今回、その線路に平行するように大井町線が再度乗り入れるという流れである。
経緯も複雑だが、今回はダイヤも複雑なものとなる。素人にはさっぱりだが、今回はなんと二種類の各駅停車が登場するというのだ(苦笑)。詳しくは東急電鉄のニュースリリースをご覧いただきたいが、一部を引用すると、
7月11日、大井町線(大井町~二子玉川)は溝の口まで延伸し、大井町~溝の口間、全16駅、営業キロ12.4kmの路線になります。この延伸に伴い、大井町線の発着時刻を変更します。
二子新地駅、高津駅は大井町線の停車駅ではありませんが、日中(11~15時台)1時間あたり8本ある各駅停車のうち4本、および早朝の鷺沼発と夜間の鷺沼着の各駅停車は、二子新地駅、高津駅に停車します。
なお、二子新地駅、高津駅を通過する各駅停車は、列車種別表示を緑色に、二子新地駅、高津駅に停車する各駅停車は、列車種別表示を青色にしてご案内します。
となっている。これを解釈してみると、
- 二子新地駅と高津駅は、大井町線の駅ではない(全16駅と言っているので)。
- しかし、大井町線の電車の中には二子新地駅と高津駅に停車するものがある。
- 大井町線の駅でないのに田園都市線の駅に停車するものは、同じ各駅停車でも青色で表記する(通常は緑色)。
おわかりだろうか?
私は一読しただけではわからなかった。そこで簡易路線図を書いてみた。ここまですれば何となく分かる。
ご覧のように二子新地駅と高津駅は、大井町線(橙色)の線路を走行する電車に乗ることは駅の構造上できない(田園都市線(緑色)の線路を乗り越えていけばできないことはないが、通常はできない)。つまり、田園都市線の線路を走行する電車でなければ、この両駅からは乗車できないのである。何のことはない、大井町線の電車が田園都市線の線路を走行するだけのことだったのだ。
大井町線と田園都市線は、先にもふれたようにもともとは一つの路線として運用されていたこともあり、複々線開業直前までも田園都市線から大井町線に直通する電車は、数は少ないが運行されていた。なので、このような形態はあり得ると思うが、二種類の各駅停車を用意してくるとは…。紛らわしくないようにしたつもりの表記が、逆に紛らわしいと思われないことを祈るばかりだ(苦笑)。
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