甘藷先生といえば青木昆陽のことであり、さつまいもを愛する方であれば、先生のことを知らないというのは大変失礼にあたる。中学高校あたりの日本史にも出てくるはずなので、しっかり学習された方なら常識と思うが、先生のお墓は目黒不動尊で著名な瀧泉寺にあることを知る人は…少なくないのかな?
とまぁそれはともかく、目黒駅付近の某社に出張したついでにちょっと足をのばして甘藷先生のお墓にお参りしてきた。瀧泉寺(目黒不動尊)の最寄り駅は、東急目黒線の不動前駅だろうというのは名前から予想がつくが、駅からは入口となる仁王門まではおおよそ650メートルほどあり、10分弱歩くことになる。
仁王門はその名が示すように、写真では見えにくいが両側に仁王像が立っている。これを抜けると瀧泉寺の中に入るが、入口附近にはちょっと古くなった案内図があり、甘藷先生の墓は瀧泉寺裏墓地にあることが確認できた。まずは階段を登っていき、目黒不動尊が鎮座しているところまで行くと、このような看板が見えてくる。
「さつま芋の先生に感謝いたしましょう」と書かれた「甘藷先生墓参巡路」という看板が目に入る。この指示通り進んでいくのだが、本当にこっちでいいのかと不安になるような所をかなりの距離歩くことになる。
看板のあった場所から250メートルほど歩いて、ようやく甘藷先生のお墓についた。案内板などがなかったなら、「甘藷先生墓」(この墓は青木昆陽が生前に用意したものであるという)と刻まれた墓石は周囲にあるものと大きさがあまり違わないので、よく探さなければ見つけられないと思うほど。しかし、ご覧のように「史跡」やら「文化財」やら様々な案内板があり、迷子あるいはよそ見でもしない限りは見つけることができるはず。
ここまで歩いてきて、私は思った。
もしかして私は相当回り道をさせられたのではないか、と。実際その通りだった。
航空写真で理由を示そう(「瀧泉寺」が正しい)。瀧泉寺入口は仁王門であるが、甘藷先生の墓のある瀧泉寺裏墓地は、裏手どころかかなり離れた場所にある。しかも70~80メートル先には、山手通りが走っているのだ。山手通りがここにあるということは、当然、目黒駅からそれほど離れていないことを意味する(ピンと来ない方はリンク先のゼンリンの地図で確認されたい)。
目黒駅から、瀧泉寺裏墓地から山手通りに通ずる細い道まで行くには、行人坂を下り、太鼓橋を渡ってさらにまっすぐ行けば山手通りにぶつかる。すぐそばの歩道橋を渡るか、あるいは羅漢寺交差点まで行って横断歩道を渡ればいい。この道程は、東急目黒線不動前駅から歩くのとほぼ同じであり、瀧泉寺経由で行くよりも短いことが確認できる。つまり、公式案内どおりに行く道程が、実は一番回り道であったのだ。
とはいえ、わざわざ甘藷先生の墓だけにいくことは希だろう(苦笑)。ここまで来るからには目黒不動尊等に寄るのは当然だろうし、その序でに甘藷先生の墓参りもするというのが大勢ではある。だが、私のように甘藷先生の墓参りだけが目的の場合、このように回り道を味わうことになる。よって、甘藷先生の墓だけに行く場合は、目黒駅から行くことをお勧めする(山手通りには、甘藷先生の墓へ行くにはこちら的な案内も出ている)。
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