前回は、Gavotte Ramdiskを導入したが、そもそもこれを導入したのは、SSDよりもはるかに小容量で、かつ揮発性ではあるものの、DDR3メモリの威力を知らしめるためにインストールした、という流れからであった。つまり、このRAMディスクの実力がどの程度かを確認する必要がある…ということで今回は、CrystalDiskMark 2.1を用い、ディスクベンチマークの結果を示していくこととする。
能書きはともかく、以下がデフォルトの結果である。
シーケンシャルリードが約3.7GB/sec、シーケンシャルライトが約2.2GB/sec。単位をバイト(bytes)からビット(bits)にするには8倍すればいいので、シーケンシャルリードが約29.4Gbit/sec、シーケンシャルライトが約17.5Gbit/secとなり、ディスク装置がこのレベルまで到達すれば、もはやボトルネックと呼ばせないほどだろう(苦笑)。これがどのくらい爆速かは、7,200rpmのHDDと比べてみれば一目瞭然である。
これとて一昔前のノートPCのHDDに比べれば、ずいぶんと速くなったものだが、DDR3メモリをRAMディスクにしたものとは、大雑把だが100倍前後の開きがある。
せっかくなので、メモリ専用インタフェースに挿入したメモリースティックやSDカードの結果も示しておこう。
まずはメモリースティック専用挿入口(インタフェース)に入れた「SanDisk Ultra II MEMORY STICK PRO Duo 8GB」の結果である。これは、15MB/s をうたったものだが、残念ながらそこまでの数値には及ばない。半分以下といったところである。とはいえ、一概にメモリ側の問題とはいえず、インタフェース側の問題である可能性が高い。今回は確認しないが、ExpressCard/34スロットにカードアダプタをかませて差し込めば、これを超える結果を出す可能性が高いということである。
なお、いちいち断るまでもないと思ったが、Windows XPからのPCユーザも多いようなので、このようなPlug and Playデバイス(動作中に取り外し可能なデバイス)の設定は、ライトバックキャッシュを無効にしていると記しておく。
単にベンチマークの数値を上げたいという場合は、当該プロパティのポリシーを「クイック削除のために最適化する」から「パフォーマンスのために最適化する」に変更すればいい。こうすることでパフォーマンスは大きく上がるが、これを変更するリスクを理解できない場合は変更しない方が無難である。
こちらはSDカード専用挿入口(インタフェース)に入れた「I/O DATA SDHC CLASS 6 16GB」の結果である。シーケンシャルではリードよりもライトの方が速い結果となっているが、それ以外は総じてメモリースティックDuoよりも今ひとつの結果となっている。が、これもメモリカード側の問題ではなく、インタフェース側の問題であるかもしれない。ただ、間違いなく言えることは、専用のメモリカードインタフェースはけっして遅いわけではないが、HDDと比べれば大きく見劣りするものでしかないということがわかる。このことは、意外に思えるかもしれないが、ReadyBoost等、フラッシュメモリを使ったものが必ずしもHDDよりも速いとは限らないということである。どういったインタフェースを利用しているのかで、そのデバイスの性能が左右されるのは、昔から言われているとおりだが、今も、そしてこれからも変わることがない原則の一つであると認識しておきたい。
と、まぁそれはともかく、わずか1GBの容量でかつ、シャットダウンや再起動してしまえば消えてしまうRAMディスクだが、これだけ爆速を誇るものなので、テンポラリ以外に活用できないかを考えている。今のWindows Vistaの使い方を考えれば、スリープのみを利用し休止状態に追い込まない限りは、事実上、不揮発メモリと同じ扱い(Windows Vistaからはそう見えるだけで、実際は揮発メモリ)になるので……、いやいや悲劇を起こしたくないから、おとなしくテンポラリの利用にとどめておこうか(苦笑)。
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