Windows Vistaのできが悪いのは、巷で言われているとおりであり、私自身もWindows XPとWindows Vistaの両方を使っていて、Windows Vistaならではのメリットを感じないと当Blogでも書いたりもしているが、だからといって何が何でもプリインストールされているWindows Vista搭載PCが、高パフォーマンスPCだと粘着的に思っているわけではない。私が思うのは、PCベンダがAtomプロセッサや旧世代プロセッサのようにプロセッサそのものが高パフォーマンスでない、グラフィックスパフォーマンスが今ひとつ、あるいはRAMの搭載量が1GB未満というような、いわゆる低価格PC(UMPCやNettop PC等と言い換えてもよい)に対しては、Windows Vistaを搭載するメリットは薄いということである。
だが、Microsoft社の政策のため、そういったレベルのPCですらWindows Vistaしか選択肢がなくなりつつある。Windows以外の選択肢がないわけではないが、ほとんどのPCメーカにそのような勇気はない。Windows XPがベストチョイスとまでは言わないが、Windows XPよりもWindows Vistaの方がいいとは思わない。いわゆるマニヤ(苦笑)のように、Windows VistaからWindows XPへのダウングレード自体にリスクを厭わないような場合はともかく、一般のユーザが今販売されているPCにWindows Vistaがプリインストールされているものを、わざわざダウングレードしてまでWindows XPを導入するのは冒険でしかないように思う。本当にWindows VistaとWindows XPの違いをわかった上で、ダウングレードしているのか?と。
わかっている人はわかっているように、Windows VistaからWindows XPへのダウングレードには困難を伴う場合がある。特殊なハードウェアをドライバや周辺ソフトウェアがWindows Vista向けにしか提供されていないようなものがあれば、そのハードウェアは死に体となってしまう。どうせそんな機能は使わないというのであれば、むしろせいせいするだろうが、必須機能であった場合は泣くに泣けない事態に陥る(実際、そんなケースは希)。しかし、困難があったとしても、それを乗り越えるだけの理由はある。パフォーマンスのそれほど高くないPCに、重いWindows Vistaはそれだけで困難だからだ。一度の困難とずっと続く困難であれば、私は一度の困難を選択する。多くの人も、きっとそうするだろう。
つまり、Windows Vistaには合う環境、合わない環境があり、中でもパフォーマンス今ひとつ(つまり合わない環境)のPCにプリインストールされてしまったなら、ダウングレードがしたくなる、ということである。これに、Vista 独特のXPユーザから見れば余計なお世話機能が、不興に輪をかけたと見る。こういう見解は、今日ネットにすぐに広がり、自身が試していなくともそういうものだと思い込んでしまう健気なユーザも含めて、「Windows VistaよりもWindows XPがいい」と刷り込まれて当然だと思う。
一定のパフォーマンスとリソースがない場合、わざわざプリインストールされているWindows VistaをWindows XPにする必要性は、Windows XPに依存したソフトウェア及びソフトウェア環境を使用していなくとも、ダウングレードを行うことに躊躇することはないと思う。それにしても、時代の流れでNettop等の低価格PCというジャンルが登場し、それに見合うハードウェア環境が整う中、肝心のOSにまともな選択肢がないというのも困ってしまう。しかし、PCメーカはそんなことはお構いなしに「PCにはWindows」ということで、無批判ではないもののWindows Vistaを搭載して販売している。ユーザの使い勝手は二の次にして…。
なので、「そこまでしてWindows Vistaを載せるか」と思ってしまうのだ。
私は、自作派で新しい物好きなので、プリインストール機を購入したのはVAIO U(PCG-U1; WindowsXP Home)とLet'snote CF-T2BW(法人向け; WindowsXP Professional)というモバイル用途のみであり、他の4台のデスクトップ型PCは自作機で、DSP版のVista Ultimate 32bit版・64bit版、XP Home SP3、XP Professional SP3が入っています。
パーツの流用はドライバがあることを前提にしますので、グラフィックスカード、HDD、FDD以外は新規購入がほとんどです。DVDマルチ等はライティングソフトがそのOSに対応していなければ使えず、過去のOSでしか動かせないソフトはVirtual PC 2007上のWindowsMe(通常版)や、WindowsXP機で動かします。過去にはWindows2000(通常版)もあったのですが、他の転勤者からクレクレコールがかかってあげてしまい、今では非常に残念に思っています。
まあ用途はあとから考えることにして、とりあえず組み上げて満足することの繰り返しで、PC台数が増えていってしまいましたが、全部現役で、それぞれ異なる役割を持たせて1台でまかなうような使い方はしていません。
Windowsは困るときには落ちるOSなので、データサルベージ用に産総研のKnoppix CD版を用意して起動しなくなったPCからCD起動できるように考えています。
投稿情報: Nikapyon | 2008/07/27 08:19
Nikapyon 様
往年の私も、Nikapyon 様と同じようにやたらとPCを組み上げていた時代がありましたが(ソフトウェア開発上、様々な環境を構築する必要があった)、今では立場も役割も家庭も変わったため、そういうことをやらなくなりました(苦笑)。
このようなお話を伺うにつけ、私も再びやってみたいな、と思ったりもしています。
投稿情報: XWIN II | 2008/07/27 14:03