2.5インチ、9.5mm厚のシリアルATA対応で容量320GB、7,200rpm、内蔵キャッシュメモリ16MBのHDD、Travelstar 7K320(HTS723232L9A360)を2万円ちょっとで購入した。7,200rpmにこだわったため、同容量で1万円程度のTravelstar 5K320(HTS543232L9A300)は対象にしなかった。で、どうしても昔話を語りたくなってしまうが、ノートPCに一般的に採用されるHDDの容量は320GBという時点で驚きだが、価格が2万2千円でおつりがきてしまうというのも驚きだ(5,400rpmのものでよければ1万1千円でおつりが来る)。
その昔、PC-9800シリーズの外付けHDDが40MB(タイプミスではなくメガバイトである)で20万円台だったことを思うと(NEC純正はもっと高かった)、HDDの進歩は隔世の感がある。価格は10分の1で容量は8,000倍、ということはバイト単価で見れば、実に80,000分の1にまで下がったことになる。もちろん、2.5インチ、9.5mm厚でなく、3.5インチ、12.5mm厚まで範囲に入れれば(こちらの方が外付けHDDとの比較に相応しい)、その差はさらに広がり、10万分の1を下回る。RAMのバイト単価も同程度の進歩を見せているが、私的にはHDDの進歩の方が驚異的に感じている。
今回、これを購入したのは、VAIO VGN-SZ95USの換装用、ではなく、PLAYSTATION 3の60GB HDDを換装するためのものである。ご存じのとおり、PLAYSTATION 3はゲームデータやセーブデータはもちろん、各種ビデオ、オーディオなどもすべて基本的にHDDに保存するようになっている。セーブデータはそれほどの容量にはならないが、ゲームデータの容量は馬鹿にできず、一つのゲームをインストールするのに4GB以上を要求するものも珍しくない。当然、60GB HDDでは無計画にそのままHDDに保存し続けていると、あっという間に容量不足に陥ってしまう。そうなれば、どのデータを削除するかという不毛な悩みと戦わなければならないのだ。
60GBと320GB、その差は260GB。これだけあれば、おそらくしばらくの間は大丈夫だろう。現在、最も多くの容量を占めているゲームデータは、仮に一つのゲームのインストールデータを平均5GBとしても、50本程度まで問題なく扱えるはずだ。心配なのは、PlayStation Storeで配信される各種ビデオなどだが、さすがに50GBまではいかないと考えている。これだけのことをしても、計算上は20GB残るので、しばらくは320GBで大丈夫だろう。
それにしても、使い方によるとはいえ、ノートPCよりもPLAYSTATION 3の方がHDD容量を要求するというのも、なかなかすごいことだと思う。これで、映画とかのネットワーク配信を行うとしたら、ストリーミング再生を行う場合は別にして、さらにHDD容量を求められるのではないかと危惧する。すべてのデータはサーバ側にあるというのは理想であるが、なかなか現実はそうもいかないケースもあるだろう。まだまだ進化の余地を残すHDDではあるが、次なる心配はこれだけ大容量のHDDにおけるデータをいかに効率的にバックアップを行うか、ということである。この心配は杞憂ではなく、既に現実に起こってしまったのだ。
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