ある日、いつものようにPLAYSTATION 3でゲームをプレイしていると、突然、プレイ画面が固まってしまい、PLAYSTATION 3の断末魔の叫びのような「ピピッ」という電子音と共に、PLAYSTATION 3が二度と起動しなくなってしまった。症状は、電源スイッチをONにすると、青と緑のLEDがつくのが正常であるが、一瞬、青と緑のLEDが点るだけで、すぐに赤いLEDの明滅に変わってしまい、こうなると電源スイッチは機能しなくなり(つまり赤いLEDの明滅が続くだけ)、電源をOFFにするには本体裏面にあるメイン電源のスイッチをOFFにしなければならない。この繰り返しなので、二度と起動しなくなり、HDDに保存していたすべてのデータ、特にセーブデータの復旧が不可能になってしまう危険な状態となってしまった。
10分でもいいから起動できれば、セーブデータの待避を行うことができるのだが、よもやそんなことが発生するとは思っておらず、無論、前兆らしきものはまったくなかった(挙動不審な動作とか、突然ハングアップするなど、PCにはよく見られる前兆はない)。いきなり、である。頼みの綱は、この不具合が例えば電源ユニットの不具合等であって、マザーボード交換のようなHDDのデータ復旧が不可能となるような修理とならないことを祈るばかりであったが、こういう嫌な予想は当たるもので、マザーボード交換が必要と判断された。HDD初期化確定である。
PLAYSTATION 3はセキュリティ強化のため、内蔵HDDと本体マザーボードとは密接にソフトウェアレベルで結びつけられている。なので、ハードウェア自体のHDD換装は簡単に行うことはできるが、換装したHDDを別のPLAYSTATION 3でそのまま利用することはできなくなっている。つまり、HDDに記録されたデータは、そのPLAYSTATION 3以外で読み出すことができないというわけである。このHDDを再び使える状態にするには、以前に使用していたPLAYSTATION 3(の中のマザーボード)がなければ再フォーマットするしかなく、このことはつまりHDDに記録されたすべてのデータの消滅を意味する、というわけなのだ。
「転ばぬ先のバックアップ」、というのは肝に銘じていることだし、PC等においては常に励行しているものである。だが、ゲームだと侮るつもりはなかったのだが、よもやこうもあっさり死んでしまうとは思わなかった。しかも、記録媒体であるHDDはまったくの無傷、正常な状態であるのに、本体側のマザーボードが死んでしまったがために一蓮托生で読み出すことができなくなってしまうのだ。
そんなわけで、これを機会にPLAYSTATION 3のHDDデータもバックアップを取ることにした。特にゲームのセーブデータに関しては、毎日差分バックアップを行うようにした。HDDも60GBでなく、320GBのものに変えるつもりで先日Travelstar 7K320(HTS723232L9A360)購入した、というわけである。
どうせバックアップを取るのだから、HDDを大容量で高速のものに変えてみようというのが狙いだ。実際に、HDDを高速なものに変えてもPLAYSTATION 3の場合はさほど変化がないとされるが、HDDからフラッシュメモリ等へのバックアップのように連続的にデータを書き出すようなケースでは効果が多少なりとも現れるのでは、という期待もある。
今回の教訓は、HDD内のセーブデータは、必ず外部メディアに書き出しておくこと、である。試してはいないが、外部メディアに書き出しておけば、別のPLAYSTATION 3で読み込むことができないという現象は発生しないと思われる。少なくともPlayStation 2のゲームセーブデータは、8MBメモリカードに書き出すことができるので、このようなハードウェア(ソフトウェアと言った方が適切か)コートはかけられていないだろう。
それにしても、およそ1年6か月の使用で逝ってしまうとは、考えたくはないが事実として起こった以上、受け止めるしかない。本体の異常発熱による熱暴走であれば、まだ救いはあるのだが、使用環境やその後の事象(本体をしばらく使用せず、室温に戻しての電源ONを行っても復旧せず等々)を考えても、単純にそれが原因だとは思えない。SCEから修理の内容は聞いてはいるが、その原因であるとか、類例はあったのか、などはまったく聞いていない。所詮一ユーザにそこまで伝える必要はないからだが、ここで社の立場を使うのは公私混同なので行わなかったが、あまりにエンドユーザを馬鹿にした態度を取られたときは、「実は私、○○ですが…」と言いたくなってしまったほどである(苦笑)。
ということで、皆さんも気をつけましょう。これから夏本番ですから。
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