せっかくの休日で天気も良く、どこかに出かけたいといわれながらも、疲れた体をいやすということで自宅待機中。なので、Windows Vista Service Pack 1を導入した。導入せざるを得ない状況に追い込まれたわけではないが(以前のVAIO PCG-SZ90PSを使っていたならともかく)、基本的にはService Packを導入するのが当然と思っている。
今回のService Pack 1の位置づけは、Bug修正がほとんどといわれているように、機能の改善はほとんどない。直近のService Packといえば、Windows XPのService Pack 2があったが、これはセキュリティアップデートといわれていたように、Bugの修正以上にセキュリティ機能の大幅な変更及び追加が施されたものであった。90年代のMicrosoft社なら、これはService Pack等での無償提供ではなく、おそらくバージョンアップとして扱われていたものだろう。Windows 98とWindows 98 Second Edition以上の差が、Windows XP Service Pack 1とWindows XP Service Pack 2にあったと私は考えている。そういう視点から見れば、Microsoft社もよくやっているということができるが、Windows Vistaの出自を思い起こせば、これはService Packなどではなく、ようやく長い広範なユーザに向けた有料ベータテストを踏まえた結果物となる、RTM版がリリースされたといえるのかもしれない。
Service Packの位置づけそのものも、Microsoft社内では変転している。いわゆるWindows NT系OSでは、最初のバージョンであるWindows NT 3.1よりService Packは存在していたが、基本的にはBug修正という位置づけだった。機能追加的なものはすべて有料バージョンアップであり、バージョンナンバが3.1、3.5、3.51とあったことからも察しがつくように、わずかな機能追加(当時はWindows 3.1やWindows 95とのすり合わせという自社内の都合)でもそうだったのだ。
それが変わったのは、Windows NT 4.0の時。このバージョンはService Packが7つもリリースされたほど、長い間現役だったバージョンだが、このService Pack 4では大幅な機能追加が行われ、それ以前のWindows NT 4.0と一部非互換となってしまうものさえあり、評判がすこぶる悪かった。わざわざアプリケーションソフトウェアの仕様に、Windows NT 4.0 Service Pack 4以上と書かれてしまうほどであり、事実上のWindows NT 4.1的なものだったのである。当時、コンシューマ向けWindowsでは、98、98 Second Edition、Millennium Edition等を矢継ぎ早に出していたような時期に、Windows NTでこのような格好としたのは、企業に多くの顧客を抱えるようになったからである。相次ぐバージョンアップは企業にとって負担であり(バージョンアップ料金はMicrosoft税ともいわれた)、これを強行すれば企業ユーザ離れを促進してしまう恐れも高かったからである(これは今でもそうだが)。
そこで、Microsoft社はService Packでは機能追加を行わず、純粋に機能改善・不具合修正に特化するという方針を打ち出した。建前上の理由は、Service Pack 4における混乱をあげていたが、事実上の理由はService Packで機能追加を行えばバージョンアップ(有料)ができなくなるというのは、語らずとも明らかだった。
しかし、この方針もWindows XPですぐに崩される。Windows XP Service Pack 2では、セキュリティ機能を強化(これも事実上は機能追加)が施された。これは、セキュリティ破りの攻撃を様々な方法で受けたため、開発方針をパフォーマンス向上からセキュリティ向上に歴史的な大転換をすることで行われた。見た目は変わらずとも、ソースコードレベルから書き直され、Service Packとは名ばかりの事実上の新バージョンとなったのである。
そして、今日のWindows Vista。これは、リリースまでの期間がこれだけの規模のOSとしてはあまりに短い2年という短期日で行われたこと、そしてアーキテクチャレベルで大きく手を加えられたこともあって、OSそのものの不具合ではないものの、他ソフトウェアやハードウェアとの複合的な理由により、安定性を欠くものとなっていた。これを一年間の市場テストによって、現実に即した形としたものがWindows Vista Service Pack 1というわけである。Windows Vistaを導入しているのであれば、これを導入しない手はない、となるのは必然とまではいわずとも当然のことと考えるのである。
たかが、何で導入するのだ? というところでちょっと語ってしまったが、まぁそういうわけである。導入について、これといったトラブル等もなく、一時間もかからずにService Pack 1の導入については成功したので、特に申し上げることもないので、今回はここまで。
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