というわけで、今回も前回の続きとなります。またまた例によって、最初に年表を示しておきましょう。
Windows for Workgroups 3.11でサポートされたVFATファイルシステムの話が長くなってしまった。ここで一つ、歴史を振り返る上で注意しておきたいことだが、VFATファイルシステムとは正式にはWindows 95のデビューから始まったこととされているので、VFATはロングファイルネームをサポートしたこととされているが、このWindows for Workgroups 3.11の存在から明らかなように、VFATとはVxD(仮想デバイスドライバ)によるプロテクトモードで動作するFATファイルシステム(VFATのVはVirtualの頭文字)という意味合いであり、ロングファイルネームとは直接関係があるとはいえない。また、Windows 95 OSR2からサポートされるFAT32は、クラスタ識別子を16-bitからさらに32-bitに拡張したものだが、これもVFATとロングファイルネームをサポートした(というか、FAT32はそれが前提)と表現されるべきだと思う。
FAT16では、ロングファイルネームをサポートしたものとそうでないものがあり、またリアルモードで動作する場合(FAT)とプロテクトモードで動作する場合(VFAT)とがある。ややこしいが、リアルタイムでこの歴史と共に歩んでこられた方であれば言うまでもないだろう。
さて、Windows 95だが、Windows for Workgroups 3.11のVFATによって、多くの互換性問題が表面化したことで、さらに安全策が取られるようになった。具体的には細かいのでふれないが、VFATの安全性が高められるなど、最後のブラッシュアップがはかられた。また、それ以上に時間がかかったのは、今では当たり前となっているPlug and Playの実装である。これは理屈ではなく、まさに現場仕事そのもので、一つ一つの不具合を手作業で解消していった。ISAバスのように、まったくPlug and Playを考慮に入れていないものでさえ、それなりのレベルではあったが、動作させることができたのは今振り返ってみても驚異的だといえよう。この差が、IBM社のOS/2との決定的な差だといっても過言ではない。
Windows 95の登場は、Windows 3.0以上に華々しいものとなった。それは日本でも同じことで、私も発売前日~当日は秋葉原に繰り出していた。あの熱狂はいったい何だったのだろう、と今から振り返ればそう思わずにはいられないが、あれこそが時代の空気だとなるのかもしれない。だが、満を持して登場したWindows 95だったが、新たな問題が浮上しつつあった。それがもう一つのWindows、Windows NTとの互換性問題とインターネットへの対応だった。
次回に続きます。
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