PlayStationでリリースされたファイナルファンタジータクティクス(以下、FFT)が、プレイステーションポータブル(以下、PSP)版としてリメイクされるという。FFTといえば、かの名作タクティクスオウガの開発メインメンバーがスクウェアに移籍して、FFの世界を舞台にどんな物語、そしてタクティクスシミュレーションゲームを展開してくれるか、それは大きな期待を持って迎えた作品だった。
しかし、結果は惨憺たるものだった。営業的にはよかったようだし、タクティクスオウガをやってこなかったいわゆるライトゲーマー(いつの間にやら、NINTENDOがコアゲーマー、PSがライトゲーマーという構図が今日では逆転しているなぁ)にはそれなりの評価はあったようだが、タクティクスオウガを超えたものを期待した私にとって、これは破綻したシミュレーションの皮をかぶった一撃RPGでしかなかった。
途中まではよかった。世界の作り方から、ストーリーの展開、魅力的なキャラクター達。しかし、それは単体の強力な敵ベリアルの登場から、シミュレーションではなく、強力なわざや武器をいかに敵の射程外から近寄って攻撃するかの肉弾戦になっていく。それなりに評判のサモンナイトシリーズ等、シミュレーションRPGを名乗るすべてのゲームが同様の問題点を抱えているが、シミュレーションの駒(キャラクター)に大きなレベルの差を認めてしまったなら、もうそれはタクティクスでなくなる。
出動する味方の最高レベルに敵のレベルが揃えられるという、タクティクスオウガならではのゲームバランスの妙がなくなったFFTは、ストーリーが進むにつれて敵がさらに強力になり、それに対抗するため、レベル上げによるごり押しがまかり通る。
と、今日はここまで。次回に続きます。
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