AMD社は5日、「AMD Drives Next Generation of Energy-Efficient Computing with 65nm Technology Transition」とプレスリリースを発し、65nm SOIプロセスで製造されたAthlon 64 X2を発表した。ラインナップは以下のとおり。
- Athlon 64 X2 5000+ (2.60GHz, L2 512KB x 2)
- Athlon 64 X2 4800+ (2.50GHz, L2 512KB x 2)
- Athlon 64 X2 4400+ (2.30GHz, L2 512KB x 2)
- Athlon 64 X2 4000+ (2.10GHz, L2 512KB x 2)
基本的には、90nm SOIプロセスで製造されていたAthlon 64 X2(Windsorコア)をプロセスシュリンクしたものであるが、低消費電力版の位置づけではないにもかかわらず、Core 2 Duo並みのTDPになったことの意義は大きい。65nmプロセスは、Intel社に遅れること約1年と出遅れた感はあるが、それでも優れた製造プロセスであり、この製造プロセスでの本命はデュアルコアプロセッサの後に控える真のクアッドコアプロセッサ(コードネームBarcelona)だろう。すべてのプロセッサがクアッドコアプロセッサになるわけではないが、Intel社が既に出荷している擬クアッドコアプロセッサに先んずることで、AMD社のプロセッサが最先端に位置していることの証になる。
だが、AMD社の弱さは、製品レベルでの展開がはっきりしない点にある。これは、はっきりしないというよりは、Intel社の製品展開にあわせて柔軟に変えていく必要があり、その結果としてそう見えてしまうのだが、それだけこの市場における戦いは厳しいというわけである。Opteronのようになるには、まだまだ道半ばといったところか。
それにしても、Intel社のプロセッサナンバもそうだが、AMD社のモデルナンバもわかりにくい。90nm SOIプロセスのAthlon 64 X2をラインナップに加えると、こんな感じになる。
- Athlon 64 X2 5200+ (2.60GHz, 2MB x 2)
- Athlon 64 X2 5000+ (2.60GHz, 512KB x 2)
- Athlon 64 X2 5000+ (2.60GHz, 1MB x 2)
- Athlon 64 X2 4800+ (2.50GHz, 512KB x 2)
- Athlon 64 X2 4600+ (2.40GHz, 1MB x 2)
- Athlon 64 X2 4400+ (2.30GHz, 512KB x 2)
- Athlon 64 X2 4200+ (2.20GHz, 1MB x 2)
- Athlon 64 X2 4000+ (2.10GHz, 512KB x 2)
- Athlon 64 X2 3800+ (2.00GHz, 1MB x 2)
以上は、AMD社の現時点のプライスリストに掲載されているものだけに限定したが、前世代(Toledo及びManchester)のAthlon 64 X2を加えると、同じモデルナンバでありながら仕様が異なる等、複雑怪奇なものとなる。現行製品でもモデルナンバ「5000+」のものは、L2キャッシュメモリの容量が異なっていても同じという状態であり、このあたりももう少しわかりやすいものにしてほしいと思う。
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