その3の続きである。
この表は、現行Xeonシリーズ10系統をなるべくわかりやすくしようと、一覧表化したものである。しかし、あまり盛り込みすぎてしまうと、ただでさえ混沌としているXeonを整理するという目的を逸してしまうので、ほどほどにしておいた。横軸をマイクロアーキテクチャ別とし、縦軸をサポートプロセッサ数及びプロセッサコア数として分類した。マイクロアーキテクチャの並べ方は迷ったが、Xeon MPに敬意を表し(苦笑)、NetBurstマイクロアーキテクチャを最右と置いた。なお、赤い文字はレベル3キャッシュメモリを搭載するプロセッサとして識別した。あとは、製造プロセスルールでわければ完璧に近いが、下線の有無とかを加えてしまうと結構うるさく見えてしまうため、そこはあえて外すこととした(大雑把に言えば、Mobile及びCoreマイクロアーキテクチャはすべて65nm、NetBurstマイクロアーキテクチャは、Xeon 7100及びXeon 5000以外はすべて90nm)。
このように一覧すれば、これからどこに向かっていくかのおおよその見当はつくだろう。例外は、Mobile(Yonah)マイクロアーキテクチャを採用したXeon LV(Sossaman)であり、おそらく近い将来にはMerom(Core 2 Duo)をベースとしたものに置き換わるだろう。Xeon LV(Sossaman)は低電圧版とはいえ、Intel 64をXeonなのに未サポートなので、この流れは確実だと思われる。
もう一つ例外といえば、Xeonとしては実質初といっていい、シングルプロセッサ(Uni Processor)のみ対応のXeon 3000シリーズの今後も注目される。もっとも、Workstation向けにPentium 4系列をあてがっていたことを思い起こせば、Pentium 4系列がフェードアウトすることによって、Workstation向けブランドをXeonで統一していくという見方に立てば、今後さらに増えていく可能性もある。プロセッサの数ではなく、コアの数を主に置けば、十分にXeonだと言い張ることができるのだから。
だが、しかし。積極的にCoreマイクロアーキテクチャに移行したいIntel社であるはずなのに、MP系列が未だにNetBurstマイクロアーキテクチャのままというのが辛いところ。Xeon 7100シリーズ(Tulsa)は、様々な省電力技術を搭載し、従来と比べて温いXeon MPとなってはいるが、Coreマイクロアーキテクチャとは比較にならない。
一方、Coreマイクロアーキテクチャも、プロセッサコアレベルではConroe/Merom/Woodcrestの三つ子状態=事実上一つのプロセッサコアしかない。L3キャッシュメモリを統合したMP専用コアは存在せず、コアレベルではそれぞれに違いを出せないでいる。だからこそ、クアッドコアのリリースを急ぎ、それなりの「差」を示したかったのではないだろうか。
Xeonが複雑怪奇なのは、マイクロアーキテクチャの変更、マルチコア化への移行、そしてIA-64との関係、AMD社等のライバル各社の動向が複雑に絡み合い、成り立ったものとなるだろうが、Intel社内の主導権争いも輪をかけている。そう外野からは見えてならない。
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