以上を整理すると、Core Duoに対し、Core2 DuoがMobileプロセッサとして大きな意味のある機能拡張は、
- スマート・メモリー・アクセスの採用
- L2キャッシュサイズが4MBに拡張
の2点となる。
というところまでが、前回だった。
どちらも、メモリアクセスがらみのものである。Mobileプロセッサが、一般的にはデスクトップPC向けプロセッサよりも非力であるため、これを挽回するには、プロセッサ単体の性能よりも、プロセッサの演算回路にいかに効果的に命令やデータを送り込むかという点が重要である。
ましてや、Dualコアプロセッサとなれば、最大2倍(理論値)のスピードで命令やデータを送り込まねば、せっかくのDualコアの威力も半減しようというもの。それには、大容量のキャッシュメモリとキャッシュミスをした場合のペナルティの縮小が大きな意味を持つ。そういう観点からすれば、Core2 Duoになって強化されたものの中で、上記の2つを上げたわけである。
しかし、Core2 Duoは、これまでに述べてきたように、この2つ以外の機能拡張に重点が置かれている。それによって、消費電力は引き上げられ、Core2 Duo Tシリーズは実質Core2 Duo Eシリーズの低電圧版となり、以前のPentium IIIとMobile Pentium IIIのような関係となってしまった。せっかく、対Transmeta社のCrusoe対抗として始まったMobile専用プロセッサの開発も、Core Duoで終焉を迎えてしまったのだ。
そういう状況で、Core DuoからCore2 Duoに載せかえるメリットはあるだろうか。メモリ食いのIntel 64を利用しないのであれば、あえて載せかえる必要性を得なくなる。単純に、Mobileとしてのメリットよりも性能を取りたいというのであれば、Core2 Duoに載せかえればいい。その時が来たら再検討しよう。というところで、今回はここまで。
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