Core2 DuoはMobileプロセッサとして設計されたCore Duoを改良したものなので、素性はMobileプロセッサだが、改良のベクトルがMobileプロセッサとしてのものというよりは、新たに展開されたデスクトップ向け及びサーバ向けプロセッサだと考えるのが自然だろう。このことが、積極的にCore2 Duo Tシリーズを導入しようかと思わせない理由なのである。
というところで、その2は終わっているが、実際Intel社が「自慢する」特徴を思い出してみよう。
- ワイド・ダイナミック・エグゼキューション
- インテリジェント・パワー
- スマート・メモリー・アクセス
- アドバンスト・スマート・キャッシュ
- アドバンスト・デジタル・メディア・ブースト
キィワードだけ並べてもピンとこないかもしれないが、詳しいことはインテル日本法人のページ(なかなかに笑わせてくれるのは、Core2 Duoの比較対象がCore DuoでなくPentium Mとなっていることだ)でもご覧いただくとして、これらはいずれもCore Duo(Yonah)の機能拡張でしかないことがわかる。
「ワイド・ダイナミック・エグゼキューション」は、初代Pentium M(Banias)の時に初めて採用されたMicro OPs Fusionに端を発し、Core Duo(Yonah)で洗練され、さらにそれが改良されたものである。
「インテリジェント・パワー」はかなり抽象的な表現となっているが、要は不必要な電力消費をなくすため、コアの部分部分でこまめにON/OFFを繰り返すこと。これも初代Pentium M(Banias)で本格的に採用されたものである。
「スマート・メモリー・アクセス」は、Core2 Duoによってといっていいかもしれない。ただし、キャッシュメモリとのやりとりにおいては、Core Duoでも実現していた。
「アドバンスト・スマート・キャッシュ」は、Core Duoで実現したものを拡張したものである。マイクロアーキテクチャとしては直接関係はないが、L2キャッシュメモリが4MBに倍増している。
「アドバンスト・デジタル・メディア・ブースト」は、Pentium 4系列に大きく劣っていたPentium Mに対し、Core Duoで同等レベルになったものをさらに128-bit単位で処理(従来は64-bit単位)するようにしたものである。
このようにしてみると、「スマート・メモリー・アクセス」がCore2 Duoならではのものであり、「アドバンスト・デジタル・メディア・ブースト」がCore Duoの約2倍の性能向上だとわかる。残りは、Core Duoと比べてさほど大したものではないとなるだろう(程度問題)。あと、大きいのはL2キャッシュメモリが4MBと倍増したことがあげられるか。
以上を整理すると、Core Duoに対し、Core2 DuoがMobileプロセッサとして大きな意味のある機能拡張は、
- スマート・メモリー・アクセスの採用
- L2キャッシュサイズが4MBに拡張
の2点となる。
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