Microsoft社は現地時間20日、米国ニューヨークでWindowsタブレット「Surface Pro 3」を正式発表した(Microsoft社のプレスリリース「Microsoft introduces Surface Pro 3: the tablet that can replace your laptop 」)。主なスペックは、
- CPU(標準)→ 4th-generation Intel® Core™ i5-4300U(1.6 GHz with Intel® Turbo Boost up to 2.90 GHz) with Intel® HD Graphics 4400)
- CPU(オプション)→ 4th-generation Intel® Core™ i3/i5/i7 Processor
- RAM → 4 GB or 8 GB of RAM(dual-channel LPDDR3)
- Display → 12-inch ClearType Full HD display(Resolution 2160×1440, Ratio: 3:2)
- Storage → 64 GB, 128 GB, 256 GB, 512 GB
- Wi-Fi → IEEE 802.11ac/802.11 a/b/g/n
- Size → 292.1×201.4×9.1 mm
- Weight → 0.8 kg
- OS → Windows 8.1 Pro
- Battery → 9 hours
ということで、中身はMobile PCだが形状はあくまでタブレットとなっている。Surface Pro 2の「PCの皮を被ったタブレット化」をさらに進め、縦横比を3:2、画面サイズを12インチとすることで、A4サイズノートに近づけようという意図が汲み取れる。そう、これはビジネスマシンなのである。
しかし、ビジネスマンである私目線では、残念ながら本機は魅力があるように見えない。何だかんだで軽くなったとはいえ、その重さは0.8kg。これは昨今のタブレットと比べればあまりに重い。しかもキーボードもどきを加えれば、もはやMobile PCとの違いは見出せなくなる。VAIO Duo 13を日常使いして思うのは、ビジネスに画面サイズは重要だが、それ以上に操作性も重要だということ。単にプレゼンであればiPadやAndriodタブレットで十分だし、それなりのことを行うのであればPCであることが重要。それはペンインタフェースでは、残念ながらまだそうではない。手書きの気軽さをビジネスに持ち込むのであれば、かつてのPalmで採用されていた簡易入力のようなものがなければ、わざわざ遅い入力インタフェースを採用する理由はない。VAIO Duo 13にも手書きアプリはあって、しかもすぐに使えるくらい十分に速いのだが、それでも手書きをしないのは、データの使い回し(再利用)のレベルが低いから。手書きメモは使い捨てであって、再利用するには別の操作が必要だとするなら、最初から再利用可能な形でデータ入力を行うだろう。その時だけが速いだけでは意味がないのだ。
価格も799ドルから1,949ドルまでだが、これもMobile PCと遜色ない、というかさらに高額の部類となるだろう。我が国では8月末リリース予定ということだが、リッチな企業で使用する一人一台PCタブレットとしての価値はある。だが、それはキーボードがセットになったものである。Windowsアプリは数が少ないという以上に、現在のWindows PCを超えるレベルの使い勝手が提供できていないことがビジネスレベルで最大の問題点であることを自覚できれば、ハードウェアの発表だけで素直に喜ぶことなどできないとしつつ、今回はここまで。
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