いつものように、Webサーフィン(死語)しながらニュースなどを眺めていると、次のような表現で度肝を抜かれてしまった(苦驚)。
これは、ITmediaのPC USER記事「Macは30年を経ても「最高の自転車」であり「最良の紙」」(4ページ中2ページ目)の中にある写真とその絵解きだが、絵解き(写真に対する短い解説文。赤い線は当方が追記)には
日本語が使える液晶一体型Mac「Macintosh Plus」と「Mac Pro」
とあり、優雅に過去と現在のMac(Macintosh)が文字通り鎮座している写真の解説文である。が、ちょっと待ったッ!
液晶一体型Macってどこにあるよ? 写真に写っているのは、絵解き通り「Macintosh Plus」と「Mac Pro」で間違いないが、「Macintosh Plus」には液晶(ディスプレイ)など搭載されておらず、ブラウン管(陰極線管。CRTとも)タイプのディスプレイが内蔵されているものである。無理矢理感が強いが、液晶パネルを搭載したPCといえば、Macintosh Plusが登場した頃ではEPSON HC-88くらいしか思いつかない。これはPCというよりはハンドヘルドコンピュータと自称しているように、PCというには厳しいもので、搭載されていた液晶パネルも電卓よりもやや大きい程度(古のポケコンクラス)。ノートPCの形状を決定づけた東芝のTシリーズ(我が国ではDynabookシリーズ)の登場もまだ先の話。当然、このクラスのマシンに液晶パネル(ディスプレイ)搭載などあり得ないというわけだ。
とはいえ、今ではブラウン管搭載ディスプレイやテレビなども見ることはほとんどない。あっても、かつて置かれていたものがそのまま存置されている状態であり、ついついこの写真を見れば液晶搭載といいたい「ワカモノ」の気持ちはわからないではない。だが、2000年前後に登場したiMacですら、製造コストの問題から液晶パネルではなくブラウン管を搭載していたことを思えば、いくら何でもITmedia系記事では致命的なポカミスだとなるだろう。
本記事は、Appleへの妄想が酷い(失礼な表現とは思うが褒め言葉です)林信行氏のものであるが、絵解きは林氏ではなく別の人(編集?)が書いたものと思う。さすがに古くから活躍する林氏が、こんなポカミスを犯すとは考えにくい。そんなことを思いつつ、今回はここまで。(なお、記事写真は2014年1月25日午前8時頃確認。)
2014年1月26日午前追記
さすがにこのポカミスは昨日(25日)中に修正されていた。
「液晶一体型Mac」から「ディスプレイ一体型Mac」へと修正。わずかな期間だったとはいえ、大事なことを思い出させていただき、ありがとうってところか。
コメント