東京ゲームショウが終わり、様々な発表があった。特に期待が高かったのは、PlayStation 4(以下、PS4)の国内リリース日だったが、まさかの2014年2月22日と北米、欧州、亜細亜(中国含)から遅れること数か月。言い訳は、まさにユーザを馬鹿にしたとしか思えない自己都合。WalkmanがiPodに敗れる過程で見せた傲慢さと、社内だけ(いいように見てグループ企業)にしか通用しない言い訳をかましている(苦笑)。
まぁ建前はともかく、本音は我が国だけで健闘するPlayStation Vita(以下、PS Vita)の足を引っ張らないように、第2世代PS VitaとPlayStation Vita TV(以下、Vita TV)と販売日が重ならないようにという、完全な自己都合の社内政治での判断でしかない。アプリケーションソフトウェア(ゲームソフト)が揃わないという事情もわからないではないが、そういうときはどこに力を入れるべきかということに過ぎない。つまり、そこまで開発(支援)リソースをつぎ込む気はないという証左であるといえよう。
そして、PS Vitaである。Vita TVは興味深いハードウェアであるが、基本的にPS Vitaとハードウェアの構造は変わっていないということは、当然TV出力は最初から実装されていたことを意味する。単に、インタフェースを用意しなかったということだが、これが物理的・技術的制限でなくSCEの傲慢な態度=自分たちの激しい思い込みからTV出力はいらないとして廃したというのだから呆れて開いた口がふさがらない。PlayStation Portable(以下、PSP)でできたことをわざわざ削った理由が、こんなつまらない唯我独尊だったのだから…(嘆)。
それでも、新型PS VitaでTV出力を載せてきたなら、まだ理解できる。だが、Vita TVとの競合を恐れたのか、新型PS VitaにもTV出力はない。これでは、唯一PS Vitaが国内ユーザに受け入れられているにもかかわらず、背信行為にしか見えないのではないだろうか。少なくとも、私はそう思った。
とは言いながら、私も企業に勤める身であり、また社内戦略を判断してもいるので、社内政治の結果、こういう結論になってしまうのもよくわかる。だが、しかし。ファンとも言うべき熱心なユーザに対して、背信行為にしか見えないような愚かな戦略をとるのはいかがなものかとなる。
かってのPlayStationは、ライトユーザへの訴求が勝利への大きな理由だとされているが、同時代を体験した者からすればそんなことはない。すべてはFF7、ファイナルファンタジー7がPlayStationでリリースされたことで、SEGA SATURN、そしてNINTENDO64との競争に勝ったのだ(気持ち的には「ときめきメモリアル 〜forever with you〜」が1995年10月13日に出たところから、と言いたいが…)。1996年秋、FF7がPlayStationでリリースされるとなったあのときから。
何にしても、SCEAJの見苦しい言い訳だと思いつつ、今回はここまで。
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