前々から噂されていたことだが、ついに現実のものとなってしまった。Adobe社はCreative Suite(CS)の次期バージョンをAdobe Creative Cloud経由でのみ提供することを発表したのだ。1か月ほど前にユーザアンケートと称して、新バージョンについてパッケージ販売からクラウドサービスへの移行を促すような調査があったが、どのような結果となろうともこうするつもりだったのだろう。パッケージ販売は継続するものの(形の上で)、新バージョンではパッケージ販売を行わないということで、毎回バージョンアップを行わないユーザにとっては「最悪」という結果となった。
月額(年額)課金云々はまぁいいとして、問題は継続し続けなければ即使用できなくなるという点である。最近のAdobe社は、0.5単位でのバージョンアップを行ったり、CSへの統合をバージョンアップに含めてみたり、2つ前のバージョンアップを認めない(撤回はされた)だの、いかにしてAdobe税を徴収しようかと躍起になっていた。なので、「税を納めないヤツには使わせない」というクラウドサービスの仕組みはいかに建前論を語ろうともそれは虚飾であり、Adobe税の徴収強化にほかならず、旧バージョンをそのまま使用し続けることもできない(端的に言えば不要なバージョンアップの強要)。もちろん、CS6はそのまま利用し続けることは可能だろうが…。
さて、既存ユーザはこの仕打ちに対して、どう考えているのだろうか。私はもちろん、社内的にも勘弁してほしいという経理担当の声が聞こえている。価格が10分の1程度になるのであれば大歓迎なのだが、当然そんなことはない。既存ユーザへの優待価格はあるが、こんなものは価格改定であっさり覆されることは自明で、不満があるなら課金停止で即使えなくなりますよという脅しもできる。
代替選択肢が事実上ないに等しいにもかかわらず、この仕打ち。最悪だと思いつつ、今回はここまで。
コメント