東京23区には、意外にも…といっていいかは人によりけりだが、かなりの数の古墳がある。中でも多摩川(または丸子川)に面する高台に多く見られ、そのうちの一つが今回ご紹介する野毛大塚古墳である。場所は、東京都世田谷区野毛一丁目25番。
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東急大井町線の等々力駅または上野毛駅が近いが、環八通りと第三京浜の結節点である玉川インターチェンジが近い。また、古墳の周囲は──というか古墳も含めて公園になっている。戦前は、隣接する都営住宅などの土地も含めてゴルフ場(等々力ゴルフリンクス。等々力駅近くにあるゴルフ橋は当地から離れているが、駅からゴルフ場に行くまでの道しるべ的役割として命名)だった。ゴルフ場が作られた際、古墳の部分だけが現在のように残され、それが今日ある姿というわけだ。
やや遠目から見た野毛大塚古墳。ここからでは見事な円墳であるように見えるが、前方後円墳(帆立貝式古墳とも)である。ただ、著名ないわゆる仁徳天皇陵などとは違い、前方部分が小さく、円墳部分がかなり大きい(全長104メートル、高さ10メートル)。
そして、案内板。東京都指定史跡である。文化財関連のこのような看板は、たいてい地方自治体の予算が潤沢な時か、国などからの補助金があった時に設置されることが多いが、ご多分に漏れずこれもそのような時期に実施されている。
このような石柱もある。都史跡だとアピール。
何と、この古墳は上に登ることができる。大田区雪谷大塚町にある鵜ノ木大塚古墳のように規模の小さいものや、住宅地などに取り込まれてしまっているものは別にして、古墳そのものを体感できるというのはあまりないのではないだろうか。で、もちろん、登った。
登っていくと、頂上は平坦でミニ公園のように整備されている。拍子抜け。だが、見所はあった。
白く見えるのは、この古墳から出てきた遺物(刀剣や人骨など)が出てきた場所を示したオブジェ。これは実際に見ていただかないとピンとこないかもしれないが、古墳の学習によくできたオブジェではないかと思う(もちろん、古墳の頂上に登りながらという付加価値があってこそではある)。
もちろん、古墳のすべてに立ち入ることはできない。斜面地はご覧のとおり、入らないでくださいという立て看板と精神的なバリアでしかないが、柵とロープで仕切られている。こういうものは教育委員会の管轄だとよくわかる。
この古墳で一番重要と思われる場所。埋葬者は誰かはわかっていない。今後もわかることはないだろう。
周囲より10メートルほど高いので、絶景とまではいわないが、いい感じだ。といったところで、今回はここまで。
私の通っていた小学校(岐阜県の某地方都市の田舎のほう)には直径数メートルの古墳(円墳)があって、天井は無くなっていますが石室まで自由に入れて、格好の遊び場になってました。
プールを作ろうとしたら発見されたということで、移設されたものでしたが、実に貴重な場所で遊んでたんだなぁと、このエントリを見ながら思いました(^^;
投稿情報: qnb | 2012/08/09 10:08
ご無沙汰ですね。お元気ですか。
古墳が遊びだったとは、何と貴重な体験をされたことか…。
とはいえ、おおらかだった(野蛮だった)昔では、こういうことは結構当たり前のようにあったのかもしれませんね。私も過去を振り返ってみたら、重要文化財で遊びまくっていたことを思い出しました。人骨?とかも出てきて、それを投げつけたりして友達と戦ったりとか(苦笑)。
投稿情報: XWIN II | 2012/08/09 20:11
昭和15年頃にゴルフ場の真ん中に林が残って居りかなり大きな古墳てあった様に記憶しており、環状八号に沿った路肩には多数の土器の破片を拾って家に持ち帰ったことを記憶しております。ゴルフ場を作った時に邪魔であったために放り投げたのではないかと先生に言われました。ここから亀の子山までの崖線には多数の古墳が残っているので、昔から居住環境が良かったのでしょう。亀の子山から南は久が原の舌状台地の南端まで古墳が散在しており、多数の遺跡も発見されていますので石器時代から高級住宅地であったのでしょう(笑い)
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2012/08/25 12:56