第三世代Core iシリーズ(コードネーム Ivy Bridge)が昨日(23日)正式発表されたが、私が期待するのはもちろんその中のMobile版である。これまでのSandy Brdigeや第一世代のCore iシリーズでは4コア(Quad Core)のものはあるにはあったが、TDPが45Wということで薄型軽量ノート(Mobile)PCには採用されることは(ほとんど)なかった。しかし、第三世代Core iシリーズではTDP 35Wでありながら4コアのものが、ようやくラインナップされている。
これは「Mobile 3rd Generation Intel® Core™ Processor Family Datasheet」より抜粋した図であるが、Quad Core SVのところに45W、35Wと二種類ラインナップされているように、ようやく、ついに、とうとう…(以下略)VAIO Zクラスの筐体に4コア(Quadコア)がやってくることを表している。
プロセスルール微細化、Tri-Gateトランジスタ等々、省電力性能についてはIvy Bridgeになって更に進化しているとは言え、QuadコアでTDP 35Wというのは何か裏があるのでは…?と思うのも無理はない。実際、裏があるのである。
とはいえ、インチキなどの類でなくデータシートを見ればすぐにわかるが、TDP 35W版の方はTDP 45W版と比べて内蔵GPUの最高クロック数が下げられている(45W版が1.25GHz、35W版が1.05GHz)こと。もちろん、CPU側もTurboモードにおける最高クロック数も下げられているが、トップスピードの差よりもコア数(同時実行スレッド数)が多い方が、64-bit OSでは意義が高い(加えてVM環境を使うとかであれば言わずもがな)。
このTDP 35W版は、Core i7-3612QMという型番を与えられているが、内蔵GPUの最高クロックが低いのは足かせにならない。なぜなら、外付けGPUを搭載する場合であれば内蔵GPUのパフォーマンスはさほど気にならず、例えばnVIDIAのGeForce GT 650Mとかを搭載するのであれば、内蔵GPUのトップスピードなどまったく関係ないといっても過言ではない。(今では内蔵GPUと外付けGPUの動作中の切り替えは珍しいものではないからだ。)
というわけで、Mobile系 Ivy BridgeをTDPレベルでささっと眺めてみた。今度こそQuadコアを搭載した薄型軽量Mobile PCへの期待は高いが、今のような形態のVAIO Zシリーズが続くのであれば、完全に見限るのは間違いない。同じVAIOシリーズの中から興味深いモデルが登場するならともかく、そうでなければVAIO 505以来、VAIOノートを使い続けてきた歴史に終止符を打つこととなるだろう。そんなことを考えつつ、Mobile系 Ivy Bridgeについて今回はここまで。
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