世界的なニュースになっているPSNからの情報漏洩。訴訟大国の米国では早速ユーザから訴えられているし、上院議員からも質問状を出されるなど窮地に立たされているSCEI(Sony Computer Entertainment International。各国SCE法人の総称として使用する)だが、昨日の記事「PSN、不正アクセスされ情報漏洩」でも『いつ不正アクセスによるものだったかの確認はいくら何でも今日わかったわけではなく、もっと早期にわかっていたはずだろう』と示したように、この部分への疑義が多くのユーザらの率直な感想であるだろう。
SCEI公式発表を信ずれば、状況は以下のように時系列順で示すことができる。
- 4月17日 PSNユーザアカウント情報漏洩の可能性に気づく(不正アクセスの痕跡を発見?)。
- 4月19日 17日からこの日までに、不正アクセスの痕跡及び情報漏洩について確証を得る(SCEI依頼のセキュリティ会社関与?)。
- 4月21日 日本時間昼過ぎ頃より、PSNへのアクセスが「障害」を理由にできなくなる。SCEIによるシステム再構築開始か?
- 4月21日 「“PlayStation Network” 障害・メンテナンス情報」に「2011年4月21日 “PlayStation Network”障害のお知らせ」を掲載。PSNにサインインできないとする障害を告知。「調査及び復旧作業を行っておりますので、いましばらくお待ちいただけますようお願いいたします」と発表。
- 4月22日 「“PlayStation Network” 障害・メンテナンス情報」に「2011年4月22日 “PlayStation Network”障害のお知らせ」を掲載。「現在、調査を行っておりますが、復旧までに一両日かかる可能性がございます」と発表するが、原因等については一切掲載されず。
- 4月23日 「“PlayStation Network” 障害・メンテナンス情報」に「2011年4月23日 “PlayStation Network”障害のお知らせ」を掲載。「現在、外部要因とみられる影響により、“PlayStation Network”に障害が発生しております」と初めて不正アクセスを匂(臭)わせる発表を行うが、具体的詳細については踏み込まず。
- 4月24日 「“PlayStation Network” 障害・メンテナンス情報」に「2011年4月24日 “PlayStation Network”障害のお知らせ」を掲載。「当社のネットワークインフラを強化するためにシステムの再構築を行っており時間を要しております」と、これまで3日以上のサーヴィス停止期間がまだまだ延びそうだと示唆し、「当社のシステムセキュリティを更に強化するために必要不可欠であると判断いたしました」と不正アクセス対策とも読める発表を行う。
- 4月27日 「PlayStation®Network/Qriocity™をご利用の皆様へのお詫びとお願い」がWebページ及び個別ユーザに電子メールで告知される。不正アクセスによる情報漏洩があったと正式発表。世界中のマスメディアでニュースとなり、大きな反響を巻き起こす。
ご覧のとおり、不正アクセスの痕跡発見?からちょうど10日、PSN停止から数えても6日経っての公式発表は遅すぎだといわねばならないだろう。これも公式発表からの情報だけなので、発覚から10日以上が経っている可能性も捨てきれない。どちらにしても、24時間体制云々と言う割には公式発表はあまりに遅く、27日にならなければ発表できなかった事情があったのではないかと勘ぐりたくなる。
で、SCEIに限らず、SONYグループ全体としてみると、確かに公式発表の前日の26日にはSONYにとって重要なイヴェントがあった。そう、それは「Sony Tablet」の発表会である。
私の邪な眼差しで見るのはいかがなものかと言われるかもしれないが、こうして時系列に事象を並べてみれば27日に正式発表する理由は見当たらず、むしろ26日まで発表できなかったという理由しか見えない。また、22日あたりでシステム再構築等が完了しPSNの再開できていたなら、不正アクセス等については頬被りしていた可能性もあるだろう。今後、SCEIはもっともらしい理由を並べてくるだろうが、私にはそうとしか見えない。そんな感じで、今回はここまで。
2011年4月30日追記
いよいよ米国下院が動き出した。我が国でも原発問題や震災問題も大事だが、こっちもよろしくと国会の皆さんには申し上げたい。
参考記事:「ソニーの個人情報流出問題、米下院が質問状」(YOMIURI ONLINE)
参考記事2:「プレステ情報流出、強まる追及 米下院委が質問書簡」(asahi.com)
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