蛇崩(じゃくずれ)川。東京都目黒区を流れる目黒川の支流で、中目黒駅付近から目黒川をわかれ蛇崩川となる。かつては、東京府荏原郡目黒町大字上目黒に属する字名でも「蛇崩」はあったが、今では川(緑道)や商店街、そして交差点名くらいにしか残されていない。
上は「番地界入 東京府荏原郡目黒町全図」(昭和5年=1930年2月18日発行。小林編纂部実測)の蛇崩橋付近を示したが、この蛇崩川、ごく一部のみを示しているが、これより下流も「蛇行」というにふさわしいほど曲がりくねっており、その名の由来を感じ取ることができる。が、これより後に周辺は区画整理され、川道も直線化と言うには憚られるが、それなりになり、今ではある程度が緑道となっている。
で、「蛇崩」交差点。ゼンリンの電子地図で示すとここになるが、この場所は上の古地図でも確認できるように、蛇崩橋の北に位置する五叉路部分である。ちなみにこの交差点は、昭和5年(1930年)時点においては、目黒町大字上目黒字宿山に属し、蛇崩川が字宿山と字蛇崩の境界となっていた。では、蛇崩橋の現況はどうなっているだろうか。
というわけで、蛇崩橋の欄干…ではないな。名標、だろうか。というわけで、ここは橋としての見かけはもうない。
横断歩道のあるところが、かつての川であり、この上に蛇崩橋が架かっていた。なお、古地図に蛇崩橋が2つあるように書かれているが、一方は旧道に架かる橋、もう一方は新道に架かる橋で、かつてはこの道路も曲がりくねっていたのだ。言うまでもなく、この道路は新道の方になる。
蛇崩川緑道を歩く。ご覧のようにそれほど広いものではなく、人が普通にすれ違うには問題ないが、自転車などが通るとこわさを覚えるといった感じだろうか。この付近は起伏がそれなりにあるので、自転車利用者は坂道を避けるためにここを利用したがるようだが、危険極まりない。役所の注意書きに「自転車は降りて通行するように」みたいなものはあるが、傍若無人のジョギング迷惑と同様にスポーツサイクル的な利用者が無視しているようである。自分は安全運転していて迷惑を掛けていないつもりなのだろうが、歩行者の恐怖感など知ったことではないのだろう。自転車通行禁止にすべきだと感じた。なお、緑道は諏訪山橋あたりで終わり、下流方向(中目黒駅方面)は緑を外した道路というか歩道的な感じになる。
そしてここが目黒川との分岐点(橋の向こう側。撮影場所をゼンリンの電子地図で示すとここ)。中目黒駅周辺は、目黒区役所移転というイヴェントも含め、大きく再開発が進められた結果、10年前と風景が一転した。そんなことを感じつつ、今回はここまで。
私も高齢者ですので遊歩道で自転車に恐怖を感ずることがしばしばあります。蛇崩という行き先のバスがあったような微かな記憶がありますが、どのあたりかは覚えておりません。変わった名前ですので覚えています。目黒区役所も以前はバスしかアクセスがありませんでしたので利用者にとっては便利になったでしょう。代官山を含めておしゃれスポットになりましたね。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/05/22 12:06
目黒にも、雑誌などでは紹介されない、でもとてもおもしろいスポットがあるんだ、ということがわかりました。ありがとうございます。
何よりも、写真がすばらしく鮮明だし、ポイントが的確だし。
読ませていただいて、何だか得した気分になりました o(^-^)o
投稿情報: りっこ | 2010/05/23 06:33