首都圏の鉄道における自動改札機(Suica及びPasmo)のトラブルが今月相次いだが、その原因は単純なプログラムミスだということが判明したという。まぁ予想通りの回答であったが、まだまだ一般的な方々(というか報道する社会部記者と言っていいだろうか)には、わずか1文字文のミスでこんな大きなトラブルになるなんて…という思いを持っている方に私は驚いてしまう。
こういう人には、わずか1文字分のミスが重大だと思わないのか、それとも想像力が欠如しているのか、単に記事をセンセーショナルに書きたいだけなのか、まったく異なる理由なのかは定かでない。だが、次の例を考えれば、たった1文字分のミスがとんでもないことを引き起こすことは容易に想像がつくだろう。
自分の預金口座に1万円入っています。その口座に5千円を預け入れました。口座の残高はいくらになるでしょう。これを式で表すと、
10,000 + 5,000 = 15,000
と計算できる。しかし、この式にある「+(和算記号)」を「×(乗算記号)」と誤ってしまったらどうなるだろうか。結果は5千万円と思いがけない金額となる。いわずもがなだが、たった1文字分のミス、しかも似たような記号(たったの45°傾いただけ)でありながら、これが大きなトラブルとなるのは自明であろう。
ところが、こうしたものとプログラム(システム)とは異なるものと思っているせいか、どうもこの手の報道は大上段(センセーショナル)に構えるような記事が多いように思う。無論、専門紙系ではこのような報道、解説はないはず(と信じたい)だが、朝日新聞や読売新聞など、いわゆる大衆紙系は「わずか1文字分のミスで」と大騒ぎする。ミスはミスとして糾弾するのは構わないが、もう少しやり方というものがあるだろう、と思うが、所詮一般人はこういったものの見方しかできないのかもしれない。
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