おことわり:これは、XWIN II Web Pageに掲載された過去のバックナンバ記事です。
今夏は、あまりお盆休みという感じはしなかった。というのは、自業自得なのだが、8月第二週に体調を崩したこと等で、三日間夏休みを先取りしたような格好となってしまったので、先週は休みなしで出ずっぱりだったためである。私自身も、以前と比べて気楽な立場でなくなってしまっていることもあり、皆が休暇をとっても会社がやっている以上、誰かがいなければならないのだ。
なので、今年は巻頭言もお盆休みを機に何かをやろうという計画(結構、時間がかかるのです)は頓挫し、かといって、たまには普段なら構想にはあっても、諸般の事情でやりそうにないものを今回は取り上げてみた。それが「超合体魔術ロボ ギンガイザー」に出てくる必殺技「超常スマッシュ」である。
「超合体魔術ロボ ギンガイザー」とは、1977年(昭和52年)4月9日~同年10月22日までの間、朝日放送(テレビ朝日)系列で毎週土曜午後7時から放映されていたTVアニメである(私のお気に入りである某番組の前番組だった)。「マジンガーZ」シリーズの好調を受けての雨後の筍ならぬ、ロボットアニメの一つだが、これがなかなかトンでもないロボットアニメだったのだ。
番組タイトルの「超合体魔術ロボ ギンガイザー」にある超合体魔術ロボというものからして、十分に妖しいものだが、いきなり度肝を抜かれたのが、そのオープニングである。ささきいさお氏のうたう主題歌の迫力もさることながら、いきなりごちゃごちゃと積み重なった上、光と共に現れるサーベルと巨大回転ノコギリを携えたワケワカロボットの出現に、唖然となってしまったのである。それでは、そのシーンを再現してみよう(苦笑)。
ちょっとファイルサイズ(150KB程度。そしてスピンライザーとあるのはスピンランサーの間違いである。作成してから気付くという失態)が大きいがご容赦いただきたい。どう見ても、あのような合体からギンガイザー形態(ちなみにギンガイザーとは、超常スマッシュを繰り出すための合体形態をいい、それ以外のロボット等はギンガイザーでなく別の名前がある)にならないと思うのだが、これも超合体魔術によるものと言われれば、納得するしかない(苦笑)。
この超常スマッシュを最初に見た敵サゾリオン帝国の幹部の一人、女占師サロメは、「これは何? 何をしようというの!?」と驚愕の悲鳴を上げるが、視聴者だけが驚いたのではないと、これもまた妙な納得をしてしまうのだった。で、何をしようとしたかは、あのトンデモな格好で敵蘇生獣にツッこむだけ。本当にツッこむだけで終わってしまうのである。
(ちなみに終盤では、超常スマッシュのパワーアップバージョン「ファイヤークラッシャー」も登場する。超常スマッシュとの違いは、あのトンデモな格好はそのままに、本体の部分部分から火を噴出しているだけである。その前後を見なければ、ギンガイザーが敵にやられて燃えているようにしか見えないのがなさけなかった。)
さて、このような超合体魔術はいたるところにあるのだが、もう一つ有名どころをご紹介しよう。それは、ロボットへの変形時にいきなり頭部パーツが飛び出してくるところである。
だいたい、何の役にも立ちそうにないものから、戦闘機(アローウィング)パーツの一部を射出した後、ロボット形態に変形するのだが、この途中、本体が左右に割れる際に、いきなり「スポ~~~ン」という感じで、頭部パーツが飛び出すのである(3コマ目には姿かたちさえ見えない頭部が、4コマ目には忽然と出現。5コマ目で飛び出す様子が確認できよう)。無論、オープニング中や本編中にそんな効果音はしないのだが、そういう効果音こそがぴったりだと思うほどの衝撃(いや、笑劇かな)シーンなのだ。
これも言ってみれば、魔術のようなものなので、超合体魔術の演出の一環といわれてしまうと、反論どころか見事な演出だとなってしまう。なので、正当な評価というのは難しいものとなる(苦々笑)が、私が少年時に驚かされたことだけは間違いない(女占師サロメだけではないのだ)。それは、まったくといっていいほどに再放送を見ず、本放送時にわずかに見ただけでありながら、今日までにこれだけインパクトを残してくれているのだから……。
ということで、今回はここまで。
初出:XWIN II Web Page 巻頭言1199「超常スマッシュ」(2002/8/18)
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