東京都渋谷区松濤で、6月19日に発生した温泉施設爆発事故から、はや三週間。ニュースの主役から既に引退した感も強いが、たまたま現場近くに行く用ができたため、現場の様子を見てきた。
警備員が入口近くに立っているため(写真では右下)、正面から撮影しにくいことから、ちょっと下がって撮影した。ご覧のとおり、営業は休止したままであり、「安全第一」と書かれた幕で周囲が覆われている。
裏手に進み、実際に爆発の起きた建物側にまわってみると、こちらはブルーシートで覆われた建物がいくつかあることが確認できる。写真中央に見える三角屋根が爆発して骨組みだけが残った建物で、その前には警官が立っている。もともと松濤地区は、警官遭遇率が高い地域であるのだが、この事故によってさらに率が高まった感がある。そして電柱でも確認できるように、ここは通学路となっている。爆発事故の起きたのは昼下がりの午後2時台だったが、これが通学・通勤時間などと重なっていたらどうなっていたか。おそろしい事故であることが、容易に想像がつく。
こちらは、温泉施設の裏側に掲げられている看板である。建築基準法第86条第1項の規定に基づき認定を受けたとしているが、これは、
(一の敷地とみなすこと等による制限の緩和)
第86条 建築物の敷地又は建築物の敷地以外の土地で二以上のものが一団地を形成している場合において、当該一団地(その内に第8項の規定により現に公告されている他の対象区域があるときは、当該他の対象区域の全部を含むものに限る。以下この項、第6項及び第7項において同じ。)内に建築される一又は二以上の構えを成す建築物(二以上の構えを成すものにあつては、総合的設計によつて建築されるものに限る。以下この項及び第3項において「一又は二以上の建築物」という。)のうち、国土交通省令で定めるところにより、特定行政庁が当該一又は二以上の建築物の位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものに対する第23条、第43条、第52条第1項から第14項まで、第53条第1項若しくは第2項、第54条第1項、第55条第2項、第56条第1項から第4項まで、第6項若しくは第7項、第56条の2第1項から第3項まで、第57条の2、第57条の3第1項から第4項まで、第59条第1項、第59条の2第1項、第60条第1項、第60条の2第1項、第62条第2項、第64条、又は第68条の3第1項から第3項までの規定(次項から第4項までにおいて「特例対象規定」という。)の適用については、当該一団地を当該一又は二以上の建築物の一の敷地とみなす。
とあるように、いわゆる一団地建築物設計制度に基づいたもので、ガスや温泉に関する規定とは関係がない。要は、敷地が離れてはいるが、一団地としての扱いを取っているという主張である。
これは、温泉施設に隣接し、かつ、爆発した建物の道路向かいにある建物(写真右側の白い方)である。ブルーシートはかかっていないが、
写真を拡大するとよくわかるように、壁面の傷や雨戸の拉げた様子がはっきりとわかる。ガラスは補修されているが、爆発時にはほとんど割れたに違いない。爆発時にちょうどこのあたりにいたら…と思うと背筋の凍る思いがする。
こちらは、爆発した建物に隣接するところである。玄関以外のすべてがブルーシートに覆われる状態だが、わずかに見える所だけからの部分でも、建物の損傷は大きい。また、その隣にあるマンション(と思われる建物。写真左側の比較的きれいなブルーシート側)も、壁面は相当傷んでいることが確認できた。
爆発から三週間。地元にとっては、まだまだこれからの問題であることが伺えるものである。
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